お夏捕物帖 通り魔

劇場公開日:

解説

お夏捕物帖シリーズの第二話。「はったり二挺拳銃」の小国英雄の脚本を、「黒潮秘聞 地獄の百万両」の萩原遼が監督した。撮影は「番頭はんと丁稚どん」の倉持友一。

1960年製作/84分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1960年8月23日

ストーリー

弘化年間--夏の江戸。深編笠、浪人風の男が通り魔のごとく妙齢の娘の黒髪を切って廻る怪奇事件が頻発した。浅草の岡っ引き亀五郎の一人娘お夏は、ふくみ針と捕縄の名手であり、幼馴染みのお絹が通り魔に襲われ自殺したのに憤然、幼馴染みで捕物狂の政次郎と通り魔を捕まえる決心をした。通り魔が丸に二引きの紋付きを着ていると聞いたお夏は、同じ衣裳の浪人を見つけたが、浅草の水芸師ジャガタラお蝶の用心棒をつとめるこの前田重四郎は犯人でなかった。しかし、重四郎に紋付きをやったお蝶は、お夏の追求がきびしくなるや何者かに斬られて死んだ。その時、小屋から逃げるように走り去る小姓姿の人物お夏は浄心寺という尼寺へ追った。浄心寺の隣りが牧野大和守邸に通じ、そこに琴姫がひっそりと暮らしているのを知った。大目付の計らいで琴姫にお夏が会うと、姫は犯人が変質者の弟縫之助であると告白、命をかけて改心させるから猶予してほしいと頼んだ。一方、政次郎は、水をかぶっても濡れぬと評判の唐渡りという呉絽の帯が女の髪で出来ていると聞き、発売元の河内屋を探る。数日後、お夏は琴姫の招きを受けた。事件のあらましが判りかけていた政次郎が、危険を感じて追うと、お夏は、牧野の家名のためにと琴姫たちの槍襖の中にあった。そこへ重四郎も駈けつけた。琴姫はもう逃れぬものと自分の秘密を告白して自決した。それは小さい時侍女の不注意から煮湯を顔からかぶり、頭に無残な火傷を残したため、年頃の娘の黒髪を憎悪し、その髷を切ることに異常なまでの執着を持つようになったのだ。政次郎はそれを聞き髷切りは琴姫であるが、お蝶殺しは河内屋伝右衛門であるとお夏に告げた。お夏、重四郎、政次郎の三人は河内屋へ--河内屋は高飛びの寸前であった。河内屋は琴姫の秘密を知って、それをネタに長崎奉行牧野大和守の重臣を脅迫し、抜荷の目こぼしをさせていたのである。琴姫が危くなるや、自分の囲い者のお蝶から秘密が洩れるのを恐れてお蝶を殺したのだった。河内屋は重四郎の剣に倒れた。燈籠流しをみつめるお夏、政次郎の後姿はなぜか淋しそうだった。

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