暁の翼(1960)

劇場公開日:

解説

太平洋上で遭難したジェット機を救助した実話「257号機帰還せず」より井手雅人・下飯坂菊馬が脚本を書き、新人第一回の富本壮吉が監督した。富本監督は昭和二年生れで、溝口健二・島耕二に師事した。撮影は「旅情」の高橋通夫。

1960年製作/99分/日本
配給:大映
劇場公開日:1960年4月6日

ストーリー

その日の気象状態は極めて悪かったが、航空自衛隊新田基地からT33ジェット257号機が飛び立つことになった。座席に覆幕をかけて計器飛行の訓練を行うためである。搭乗員は教官の北川一尉と学生の高井二尉。九州南端の赤松山レーダー基地で、土佐沖を太平洋に向けて南下している飛行機を捉えた。応答がない。各基地に問い合せた結果257号機であることが判った。とぎれとぎれの誘導の中で機は飛び続けた。北川一尉は座席の覆幕を取り除いたが視界は霧にきえぎられて全然きかない。計器は全く用をなさなくなった。残りのガソリンはわずかに一一〇ガロン。高度一万五千、突然視界が開けた。眼下は芒洋として拡がる海。高度五千で二人は機を脱出した。落下傘降下。この遭難事故は伝わり、各基地から捜査機が飛び立った。海上保安庁から巡視艇が、海上自衛隊から駆逐艦も出動した。遭難地点は土佐沖約三百哩。北川と高井の降下地点はかなり離れていた。北川は救命ボートの上で、妻や二人の子供のことを考えた。高井も新妻の敏子を思った。翌日、空と海からの捜索に米軍の協力も加わった。敏子は医師から妊娠二ヵ月を知らされたばかりだ。鱶の群が二人を襲った。北川は遺書を書き始めた。朝が来た。二人はもはや生きることをあきらめた。その時見えたのだ。捜査機が二人を発見したのだ--。

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