男の銘柄

劇場公開日:

解説

週刊文春に連載された円地文子の原作を荒井八郎が脚色。「幼馴染みというだけさ」の弓削太郎が監督した情事もの。撮影はコンビの石田博。

1961年製作/84分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年11月12日

ストーリー

とある郊外の療養所。一組の若夫妻が医者や看護婦の祝福を受けて退院してゆく。彼は高校教師の志村豊男。彼女は妻の里枝。献身的に夫の看病をする平凡な妻であった。ところが彼女には一つの秘密があった。それは株。親友の株のセールス・ウーマン、長谷部朋子が舌をまくほどよいカンをしている。だがふたりのなかは二階に下宿している女子大生の敏子がうらやむほど。ところがある日、里枝は夫の行動に疑問をもった。そのころ夫はかつて学校の事務員をしていて、いまは株を大きく動かしている浅野香芽子の気まぐれな恋のとりことなっていたのだ。これを知った里枝は、かねがね彼女に思いを寄せていた純情なサラリーマンの富永繁とキケンな一夜を共にした。豊男は毎週のように口実をもうけては外泊するようになり、里枝の外泊も多くなっていった。そんなある日、里枝は朋子からコマーシャル・デザイナーの花輪喜一郎を紹介された。彼のアトリエには鞭・鎖、手錠などあらゆる攻め道具が用意されている。そんななかで里枝は愛慾のとりことなっていった。そして花輪の助手、小森にまで犯されてしまった。また豊男の方も香芽子の株の買い占めを手伝うようになった。ところが破局は意外に早くやって来た。花輪が薬の使いすぎで急死、また買い占めの失敗で香芽子は無一文になってしまったからだ。--ある晴れた日、療養所のベッドによこたわる豊男をかいがいしくかいほうする里枝の姿が見られた。

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