若い涙を吹きとばせ
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若い涙を吹きとばせ

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解説

楠田芳子の久方ぶりのオリジナル・シナリオを、「億万長者(1960)」の小林恒夫が監督した母もの。撮影は第一回の田中義信。

ストーリー

吉村あや子は銀座にあるクラブ「黒いバラ」の雇われマダムである。彼女は戦争で夫を失って以来、一人息子弘志の成長に唯一の生きがいを見出して懸命に生きてきた。弘志も今は十九歳、大学の一年生だ。しかし、バーのマダムという職業の関係で母子は長い間一緒に生活する機会に恵まれなかった。あや子は銀座に近い高級アパート、弘志は市ケ谷の下宿にと別々に暮らしている。ある晩、弘志は松崎薫と名乗る美しい少女と知り合った。薫は十八歳の女子大生で、弘志はその美しさに一目で魅せられてしまった。薫も素直な弘志が好きだった。二人はお互いの愛情を確かめ合った。だが、弘志の母がバーのマダムであることが薫の母貴子に知れ二人の交際は絶たれてしまった。一方、あや子は客の一人吉井と深く愛し合っていた。吉井は三年前に妻に死に別れ今は一人身とのことであった。息子の弘志も成長した今日、吉井との結婚を決意していた。そのため、親切なマスター佐藤からもちかけられた新しいバーを開こうという話も断ってしまった。だが、吉井の両親に会いに彼の家を訪ねたあや子は、後妻の八重子のきびしい眼差に合った。吉井はあや子を欺き、既に一年前に再婚していたのだった。母と子、それぞれの生き方を求めて芽生えた恋も挫折、二人の心には深い傷痕が残った。母と子は初めてお互いの生き方について激しく言い争った。弘志は母と別れ、苦しくとも自立の生活を築こうと決意した。仲の良いアルバイト学生、明のもとで弘志は、運送屋に勤め激しい労働の毎日を送った。その頃、弘志との仲を両親にさかれた薫は一人弘志を探し歩いていた。だが弘志は自分の生活に自信を持つまでは薫に逢うまいと心に誓っていた。一方、あや子は佐藤に励まされ再び「黒いバラ」に姿を見せた。しかしその横顔に一抹の淋しさが漂っていた。それから半年--「黒いバラ」のネオンを懐しそうに見上げる弘志の見違えるように逞しい姿があった。客を見送って扉の前に立ったあや子、母と子は明るく微笑みあった。鈴懸の青い芽がいつの間にか大きくふくらんでいた。...

スタッフ

監督
脚本
楠田芳子
企画
原伸光
撮影
田中義信
美術
中島敏夫
音楽
木下忠司
録音
渡辺義夫
照明
銀屋謙蔵
編集
長沢嘉樹

キャスト

作品データ

製作年 1961年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 77分

提供:株式会社キネマ旬報社

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