マリア(1988)

劇場公開日:

解説

一人の農婦の生活と彼女の死後、彼女の家族の様子を記録した短編ドキュメンタリー。ボリス・エリツィンなど主として有名人を取り上げることになるシリーズの一作目でもあり、また監督アレクサンドル・ソクーロフ自身の処女作にも当たる。監督、脚本は、「孤独な声」「日蝕の日々」「セカンド・サークル」「ロシアン・エレジー」などのアレクサンドル・ソクーロフ。製作はタチアーナ・アレシュキナ。撮影はアレクサンドル・ブーロフ、音楽はミハイル・I・グリンカの『子守歌』、アルフレリート・シュニトケの『納税義務者名簿』、ベラルーシの民族音楽などが使われている。出演しているのは、マリア・セミョーノヴァ・ヴォイノヴァ、その夫イヴァン・クリメンチエヴィチ・ヴォイノヴァ、娘タマーラ・イヴァノヴナ・ヴォイノヴァほか。

1988年製作/ロシア
原題:Мария
配給:イメージフォーラム
劇場公開日:1994年10月8日

ストーリー

(第一部)列車が農村を横切って通り過ぎる。広大な平野で亜麻を栽培するヴェデニノ村の働き者の農婦マリア。8月の太陽がさんさんと輝く下でマリアは仲間の農婦たちと汗をかきながら働き、青空の下で一緒に食事をし、歌を歌っている。畑のすぐそばには大きな河が流れていて、子どもたちが泳いでいる。トラクターに乗って亜麻を刈り取り、自分の手で編み上げる。ある日、息子が交通事故で死んでしまい、マリアは墓の前で涙を流す。そうした悲しい思いも薄らいできてマリアは、夫や娘とクリミア半島に休暇に出かける。彼らは水遊びしたり、海岸でじっと海を見つめながら日光浴をする。(第二部)それから9年後の1984年、車の窓から延々見えているぬかるんだ道や周りの民家。再び村を訪れたソクーロフは村人たちに作品を見せようと上映会を開く。会場にはマリアの姿は見えず、代わりに現われたマリアの娘からマリアの死を告げられる。映画は村の人々に愛された。マリアの幸せな日々が甦る。しかし、このせっかくの再会の場も、マリアの娘とマリアの死後再婚した元夫の苦々しい対面の場となってしまった。娘のタマーラは成熟し、結婚し夫や子供とともに幸せな日々を送っていた。マリアの臨終や葬式の写真、雪におおわれた森が哀悼の響きを生み出す。

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