劇場公開日 1935年2月28日

怪人マブゼ博士(1932)のレビュー・感想・評価

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4.0フィクションとしてのリアリティさえ担保してくれたらねえ…

2023年8月31日
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鑑賞方法:映画館

テーマとアイデアは抜群に面白かったのだが、ストーリー展開が、あまりにも予想通り。
意外性があったのはラストだけだったが、あのラストにしても、ちょっと唐突。
あとツッコミどころも、まあまああるし。
冒頭、潜入していた元刑事を御都合主義な展開で逃してしまうとか(まあ、逃げてくれないと次のプロットには繋がらないのだが、あれじゃホント出来の悪いコント)
また、その元刑事が発狂してしまうほどの恐怖なんて、本当にあの暗闇の一瞬だけで有り得たのか?まさかのマブゼの仕業?であれば、これまた都合が良すぎる!とか。
そして、当時のSP盤レコードの音質で、肉声との違いに気付かないのは(ドア越しとはいえ)ムリがあるだろう?とか(BGMでオーケストラのSP盤を流してれば、まだ自然だったろうに)
やはり、まだまだ映画が荒唐無稽で当たり前、そもそも、それがディフォルトでしょ?とでも言わんばかりの時代。そんな諸々のシーンは、ちょいちょいと出てくる。

では、観る価値など殆どないのか?というと?そんなことは全くない。
とにかく、冒頭から不穏な空気満載のカメラワークが本当に素晴らしい。
そして、その不穏な空気を増幅させるサウンド効果も音楽も含めて文句なしに響いてくる。
また狂気に取り憑かれた役者たちの芝居も的確で見事。ああいうのは下手なのが演ると本当に見てられないのだが、きっちりリアルに見せていて流石だ。

まあ要するに、もっと本気で不自然なプロットを全て排除して、工夫を施して、黒幕の存在も意外性ある展開にしてれば、間違いなく大傑作になったに違いない。

純粋悪というヤツは、本当に時代を超えて普遍性があるので、改めてプロットを完璧にして、誰かリメイクして欲しい。
もちろん前作での悪のカリスマ炸裂!マブゼの暗躍を含めた三部作で。
あえてナチス台頭の時代背景のままがイイ。
誰か作って!デル・トロ以外で!

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osmt