コロネル及びフォークランド島の大海戦

解説

イギリス海軍省及び海軍協会の援助を得て製作された純然たる軍事教育映画で、コロネル沖の海戦及びフォークランド島沖の海戦の実況を潤色することなく再現したもの。ハリー・エングホルム氏がイギリス海軍大佐フランク・C・バーワー氏と共同して撮影台本を執筆し、ウォルター・サマーズ氏が監督した。登場の顕官将士には特に容貌の酷似したエキストラをして扮せしめ、バーハム以下三十八隻の艦船が出動し、実践を髣髴せしめている。無声。

1927年製作/イギリス
原題:The Battles of Coronel and Falkland Islands

ストーリー

1914年11月1日フォン・スピー提督に率いられるシャルンホルスト以下四隻のドイツ東洋艦隊は南米チリのコロネル沖に於いて、クラドック少将座乗のグッド・ホープ以下二隻のイギリス南米派遣艦隊を撃破した。元来このイギリス艦隊はフォークランド島の貯炭所警備を兼ね、貿易航路保護の任を帯びた比較的劣悪なものであった。これに反して優勢なドイツ艦隊はこのイギリス艦隊を全滅せしめる為に快速を利して日没頃までは敵を索制するに努め、日没時に至って水平線上に鮮かに艦影を描き出したイギリス艦隊を斉射し旗艦グッド・ホープ及び一隻を撃沈した。残る一隻のグラスゴーは闇に乗じて辛うじて退却し、フォークランドの根拠地に帰った。この敗報伝わるやフィッシャー海相は、雪辱の為にインフレキシブル及びインヴィンシブルの二巡洋戦艦を直ちに南米に急航せしめた。かくて十二月八日には早くもフォークランド島に到着し、スターデー提督は二巡洋戦艦以下五隻の優勢なる艦隊を編成してドイツ艦隊を待った。一方ドイツ艦隊は斯かる優勢なるイギリス艦隊ありとは知らず、石炭掠奪並びに無線電信局破壊の目的を以て襲わんとした。そして思い掛けもなく優越なるイギリス艦隊が、既に出動準備を終えたのを発見して驚愕したフォン・スピー提督は三隻の軽巡洋艦を直ちに退却せしめ旗艦シャルンホルスト及びグナイゼナウの二隻を以て敵に当る必死の戦略に出た。これに応じてスターデー提督も四隻の僚艦をして遁走せんとするドイツ巡洋艦を追撃せしめ、自ら二巡洋戦艦を以て二敵艦に向った。その十二吋砲はドイツ艦の八・二吋砲に対して遥かに優勢であった為復讐は成った。また二巡洋艦も遂にイギリス艦隊の為に撃沈され、ドイツ東洋艦隊は全滅したのである。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く