愛は惜しみなく(1956)

解説

フランス革命に華々しい生命の火を捧げた詩人アンドレ・シェニエ(Andre Chenier)に材を取ったイタリアのオペラ作曲家ウンベルト・ジョルダーノ作曲、ルイジ・イリカ作詞のオペラ『アンドレア・シェニエ』の原歌詞に基き、女流ライターのアンナ・ゴッビと新進の監督クレメンテ・フラカッシらが脚本を書き、同じくフラカッシが監督した音楽絵巻。撮影は「人間と狼」のピエロ・ポルタルーピ。音楽は原歌劇からの抜萃で編曲をジュリオ・チェザーレ・ソンジョニョ、演奏指揮をフランコ・フェルラーラが担当した。主演はイタリアから「赤と黒(1954)」のアントネラ・ルアルディ、「嵐の女」のラフ・ヴァローネ、フランスから「アンリエットの巴里祭」のミシェル・オークレール。

1956年製作/イタリア
原題:Andrea Chenier

ストーリー

フランス革命前夜のパリ、貴族達が已れの運命を知らぬげに豪奢な生活を送っている時、コワニイ伯爵の令嬢マッダレーナ(アントネラ・ルアルディ)は、父が主催の狩猟会で、ロンドン駐在のフランス大使の秘書アンドレア・シェニエ(ミシェル・オークレール)と知り合い深く愛するようになった。七月十四日革命勃発、叛徒達がコワニイ邸にも迫って来た時、マッダレーナにかなわぬ恋心を燃していた馬丁のジェラール(ラフ・ヴァローネ)が彼等を迎え入れたため、怒った伯爵は彼を追放した。一方マッダレーナは召使ベルシの助けで、ロンドンに出発するアンドレアと束の間の歓びを持つことが出来た。パリは革命軍に占領され、コワニイ家は難を避けてイギリスに亡命しようとした。これを知ったジェラールはパリに連行しようと彼等を途上に取り押えたが、その結果、人民裁判にかけることとなった。一家の身の上に危機が迫った時、熱烈な革命党員としてロンドンから帰国したアンドレアが現われ、流血の無益さを説いて一家を釈放したが、これがジェラールのアンドレアへの憎悪を強める結果となった。マッダレーナは父母の許を抜け出し、アンドレアと再び幸福なひと時を過した。だが、そこに押し入ったジェラールの一隊のため、彼女は逃げのびたが、アンドレアは叛逆罪で逮捕された。その裁判の日、アンドレアを救うために自分の体を委ねようと申し出たマッダレーナの愛情に自分の罪の深さを知ったジェラールは、法廷でアンドレアの無罪を主張したが、徒労に終り、彼は死刑を宣告された。サン・ラザールの獄舎で二人は最後の別れを惜しんだ。やがて処刑の時が迫る……。意を決したマッダレーナは、死刑囚の一婦人に自分の門鑑を与え、アンドレアと共に断頭台にひかれて行った。

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