夜霧のモントリオール

劇場公開日:

解説

一人の男を愛してしまったコールガールの、苦悩と哀しみを描いた作品。監督・脚本はカナダの新鋭デニス・エロー。撮影はルネ・ヴェルジェ、音楽はジョー・グラシーが担当。出演はダニエル・ウィメ、ギイ・ゴダン、ウーゴ・ジェリナ、アンドレ・フラマン、キム・ウィルコックス、ミシェル・パージュなど。

1968年製作/カナダ
原題:Valerie
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1969年12月28日

ストーリー

孤児で修道院に拾われ、教育を受けていたバレリー(D・ウィメ)は、札つきの不良学生であった。ある日、そこを逃げだし、モントリオールに出て来た彼女は、やがて、ゴーゴーのトップレス・ダンサーの職をみつけ、毎夜狂ったように踊り続けた。その頃、彼女は身心を休めに行く公園で、画家パトリック(G・ゴダン)と息子のフランンワ(U・ジェリナ)に出会い、やがてその画家と逢瀬を重ねるようになった。その一方で、バレリーは、同室の同性愛者アンドレ(A・フラマン)の紹介で、コールガールのキム(K・ウィルコックス)に会いに行ったりした。そして、収入の多さに魅せられ、コールガールになってしまった。やがて、彼女は豪華なアパートに住むようになったが、パトリック親子に会う度に、真実が白日のもとにあばかれる恐しさに心を苛まれていた。その心配が、ある時本当になった。パトリックの個展を祝うパーティの席で、コールガールになって初めてとった客の男と、顔を会わせてしまったのだ。彼女は黙って、パトリックのもとを去った。また、その男から彼女の正体を知ったパトリックは、彼女と再び会うまいと心に誓い、彼女を探すのをやめてしまった。孤独な日々が流れた。今や、いまわしい仕事をやめたバレリーは、ある日、想い出の公園へ出かけた。そこには、いつもの場所で、パトリックが絵を描いていた。いそいで立ち去ろうとするバレリー。だが、パトリックが彼女を呼びとめた。かたく抱き合う二人。そこには、過去の影をふりはらい、現在に生きる美しい姿があった。

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