劇場公開日 1977年3月26日

「夢の入り口」シンデレラ(1976) うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0夢の入り口

2022年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

福岡市の歓楽街、中洲にはかつて映画館がひしめき、いい映画は家の近所の映画館では、やっていなかった。当時私は田舎の方に住んでいたが、一番近い映画館でも雑餉隈という街に行かなければ見ることが出来なかった。

ある日母親に幼い妹と連れられて、中洲まで映画を見に行った思い出の映画がこの「シンデレラ」お話自体は絵本なんかで知っていたつもりだったものの、子供心に不思議だったのが、かぼちゃが馬車に代わる魔法だったり、ガラスの靴が、他の誰にも履くことが出来ないといういきさつ。いくらでも成りすましできるじゃん。と思ったものだが、それでも衣装の華やかさ、音楽の素晴らしさはかすかに分かった。本当のお楽しみは、そのあとにデパ地下で食べるお好み焼きだったりしたのだが、現在では天神パルコになってしまっている場所は、かつて岩田屋という百貨店で、(ま、今でも少し外れた場所に存在はするが)そこの地下に、味のタウンなんて飲食店街があって、夢のようなお菓子の国がそこにあった。

そして、意味不明の1メートルほどの段差を上がるために短いエスカレーターがあり、今でもそれがあるのがなんとも不思議な感覚だ。40年以上も昔なのに。

食事がすむと、おもちゃ売り場に直行し、何も買ってもらえないのだけれど夢中で見つめた。そして、屋上のプレイランドで、チューハンターという甘めの射的ゲームで腕試しをして、景品のお菓子を取るのが楽しかった。まだインベーダーゲームすらも無かった時代だ。

そんな時代の、思い出のページにこの映画は存在する。そのころから、ディズニーの理念は変わっていないのだ。映像や、映画という施設自体はずいぶん進化しても、家族で楽しめるエンタテイメント、空間、魔法にかかったようなひと時を提供する、夢の国。

ただし、私はミッキーマウスよりも「トムとジェリー」に夢中だったけど。

2018.9.15

うそつきカモメ