闇より光へ

解説

「ジョンスタウンの大洪水」「愛の投縄」等と同じくアーヴィング・カミングス氏が監督した映画で、原作を物したのはウィリアム・コンセルマン氏、それを脚色したのはハワード・エスタブルック氏である。「栄光」「宣伝地獄」等出演のエドモンド・ロウ氏が出演し、「赤陽に鞭って」「僧房に咲く花」等出演のメアリー・アスター嬢が相手役を演じるほか、ベン・バード氏、ロバート・エメット・オコナー氏、ジョー・ブラウン氏、ロバート・ペリー氏などが助演している。

1928年製作/アメリカ
原題:Dressed to Kill

ストーリー

暗黒街の巨魁バリー、彼はその幾多の部下を縦横に駆使して神出鬼没の働きをもって大仕掛の犯罪をもあえてし市民の安き眠りを妨げていた。敏腕なる探偵部長ギルロイを以てしてもその罪状を突き止めることは不可能なのであった。バリーはある日その股肱、異名して伯爵という部下と仕事からの帰り、その巣窟たるダンスホールの入り口で贓品の売りさばきに困っているジャンという美しい娘の姿に引きつけられた。贓品を所持していることから彼はジャンも同じく女賊であると信じ己が乾分の者に引き合わせた一方、ギルロイは自らリッチーのダンスホールに踏み込んだが、証拠となるべきものなく手をこまねて引き下がる。それのみか、部下の密偵はバリー一味のために惨殺されてしまい、ギルロイの面目丸潰れとなる。バリーはジャンを世話している内に次第に恋を感じ己が意中を打ち明けたが、ジャンは何故かそれには更に応じなかった。やがて大仕掛の犯罪の期熟し、バリーは一味を指揮してある商店を襲わんとしたが、それに重要な役を務むるジャンの不決行からその計画は画餅に帰した。バリーの部下はそれに憤慨し、伯爵を始めとしバリーにこの裏切り者の処決を迫った。バリーの心はこの板挟みにあて苦しんだ。このバリーの真情に初めてジャンの心は目覚めて事の真相を物語った。それは次のごとくであるージャンにジョンという愛人がある、が、2人がまさに結婚せんとした時に、銀行の株券が紛失し、その嫌疑はジョンにかかり、彼は囹圄の人となった、ジャンはこの盗難こそバリーの仕業と信じ彼に近づいてその株券を奪い返そうとしたのである。これを聞いたバリーの心に、深い感激と愛とが湧き上がった。彼は乾分と争い、しかも伯爵を倒してまでも、株券をジャンに返して彼女を逃れさした。そしてその後姿を見送って会心の笑みを浮かべた。が、その時はすでにバリーは悪漢団の包囲の内にあった。乱射。そして死にものぐるいの奮闘。悪漢団は全滅したが、バリーも倒れた。彼は息をひきとる際まで、愛するジャンの幸福を祈りつづけていた。

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