ミッド・チャンネル

解説

英国の劇作家として有名なアーサー・ウィング・ピネロ卿の原作になる舞台劇で、原本はすでに吾国にも紹介されている。ミッド・チャンネルというのは、フォークストンとブーローニュの間にある海峡の名で、静かに帆を挙げて出帆した船もミッド・チャンネルに入ると急に早い潮、荒い浪に戯れるけれど、そこを安全に過ぎ去れば再び静かな航海を続けることができる--ということと、結婚生活を始めて数年過ぎると色々不愉快な出来事が起こるが、相互の了解ができてその時機を経過すればやがてまた平和な日が来るものである。という事実とを対照して示している。ゾー・ブランデルは夫シオドーアと結婚生活を始めて数年経った今日、お互いに不愉快な月日を送っている。妻が短気で派手な性質と、夫がそれを理解しないこととが、2人を引き離す主要な原因となったのである。2人はついに別居した。夫は美しい女と、妻は美しい男と、それぞれ共同生活を始めたが、親切な友人の計らいで2人は再び相会ったけれど、やはりお互いは不満を感じた。そして、妻が自分を愛していると信じた恋人の許へ走った時、その男はすでに他の女と結婚の約束ができていた。ここへ夫が跡追って来た。妻は後悔の挙句自殺してしまう--立派な悲劇である。これで終われば文句はないが例によって以上女主人公が小説「ミッド・チャンネル」を読んだことにし、ハッピー・エンディングに終わってあるのは米国物として致し方あるまい。しかし美しい道具や衣装によって英国上流社界の雰囲気を出すことに成功し、立派な撮影及び仕上げの技術は賞賛すべき価値がある。

1920年製作/アメリカ
原題:Mid-Channel

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