貧しき者の幸福

解説

ルロイ・スコット原作の「母」“The Motherに基づき、アーサー・F・スタッターが脚色し、「懐しの我家」「砂漠の情火」等と同じくレジナルド・バーカーが監督したもので、主役は「爆音千里」「椰子の葉蔭」等に出演したリチャード・ディックス、「屠殺者(1922)」「初恋(1971)」等出演のリートリス・ジョーイ、「リチャード獅子王」「快男子ソーヤー」等出演のジョン・ボワーズ、「運命の罠」その他のフォックス映画でお馴染みのルイズ・ラヴリー等で、端役にはアイリーン・リッチや子役のフランキー・リー、メアリー・ジェーン・アーヴィング等が出るという、良い役割である。

1921年製作/アメリカ
原題:The Poverty of Riches

ストーリー

幼なじみのジョンとキャスリンとは結婚して家庭を持ちジョンは製鉄会社へ勤めていた。ジョンの同僚トムは妻グレースとの仲に2人の子宝があって、ジョンの家庭には子供がないので常に淋しい空気が流れていたが、栄達に夢中になっている彼は家の事よりも仕事に全力を尽くして子供のない事などは結局幸いとしていた。彼の勤勉は報われて彼はトントン拍子に会社の支配人になって、初めて彼は淋しい家庭に気がついたがその時は既に遅かった。自動車事故で負傷したキャスリンは人の母たる事のできぬ体となった。富も栄誉もジョン夫妻にとっては既に何ものでもなかった。一方トムの家は貴い子宝があったので貧しくとも真に恵まれた夫婦といわねばならなかった。

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