ブラック・サンダー

劇場公開日:

解説

不当な労働と非人間的なあつかいを受ける黒人奴隷が自由人として生きるために自らガンマンとなった男が主人公の西部劇。製作はラリー・G・スパングラー、監督はマーティン・ゴールドマン、脚本はスパングラーとゴールドマンが共同執筆。撮影はピーター・エコー、音楽はジョン・ベニングが各々担当。出演はフレッド・ウィリアムソン、デュービル・マーティン、ドン・ペドロ・コリイ、ジョン・ライアンなど。

1972年製作/アメリカ
原題:The Legud of Nigger Charley
配給:パラマウント=CIC
劇場公開日:1972年11月23日

ストーリー

アフリカの黒人奴隷たちが船に積まれていく。ある好戦的な黒人の1隊が、奴隷として白人に売るために、集落を襲い、住民を捕虜にしたのだ。そんな中で年若い女が男の子を産み落とした。女は赤ん坊をかばおうとして殺された。十数年を経て、その赤ん坊は成長し、アメリカ南部のプランテーションで鍛冶仕事をすることになった。その名はチャーリー(フレッド・ウィリアムソン)といった。だが奴隷がいつでもそうであるように、ここでも全ての権利を奪われた“ただの生き者”として働かされていた。しかし、園主ヒル・カーターだけは救いのある心を持ち合わせていた。余命いくばくもない彼は病の床でチャーリーを自由の身にする約束をした。チャーリー育ての親セオの20年のたゆまぬ奉仕にかえてのたっての願いだった。だが、偏見に満ちた農園の監督ホウストンはチャーリーをめった打ちにして納屋へぶち込んでしまった。時を前後してカーターは死の床についた。ホウストンは園主の死におかまいなく、我物顔で奴隷市を開いた。1方チャーリーは仲間のジョシア(ドン・ペドロ・コリイ)とトビー(デュービル・マーティン)に助けられ、ホウストンを殺してから3人で脱出した。やがてチャーリーら3人は、小さな西部の開拓町にやってきたが、追手の殺し屋たちに追いつかれてしまった。黒人少年ウイリーの加勢によって4人になったチャーリーたちは、今までの恨みを総てぶつけるかのように、殺し屋どもに立ち向かい、撃退させた。無事難をのがれた1行は、町にいた風変わりなジイさんを加え、自分たちにふさわしい土地を求めて旅立った。だがまたチャーリーたちの血が燃えた。暴力牧師が、インディアンの血が混ざっている夫婦を不当にしいたげていたのだ。チャーリーたちは彼らに加勢を頼まれたが一端は断わった。ところがどうにもチャーリーの心ははれなかった。ここでも人種偏見によって苦しめられている人々がいたからであり、この夫婦を牧師たちの餌食にするのが何とも心残りでならなかったのだ。今度の戦いは、前回とは勝手が違っていた。ジョシア、風変わりなジイさん、ウイリー少年が戦いの犠牲になってしまった。チャーリーは満身の怒りを銃弾に込めて牧師の胸にぶち込んだ。手下はばらばらになり、牧師は息たえた。砂けむりの中で、血しぶきをあげて散ったこの冷酷な白人の命は、夕陽に浮きだされた荒野の中で、かつてチャーリーの母親が奴隷狩りによって失った尊い命のよみがえりを物語っているようであった。

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