恋のブラジル

解説

「生きてる死骸」のイヴリン・キース、「恋愛放送」のキーナン・ウィン、「わが家の楽園」のアン・ミラー、「コンドル(1939)」のアリン・ジョスリン、メキシコ歌手テイトオ・ギサアル、ダンス・チームのヴェロスとエンリック・マドリゲラとその楽団が出演する音楽映画で1946年作品。脚本は「ミネソタの娘」のアレン・リヴキンがハリー・クローク及びデヴァリー・フリーマンと協力書き下ろし、ラジオのプロデューサー、舞台劇演出家だったMGMの契約監督S・シルヴァン・サイモンが借りられて監督に当たり、「接吻売ります」のチャールズ・ロートン・ジューニアが撮影を指揮している。

1946年製作/アメリカ
原題:The Thrill of Brazil

ストーリー

リオ・デ・ジャネイロのホテル・カリオカは、ラテン・アメリカ色の濃厚なレビューで名高い。その支配人でレビューのプロデューサーのスチーヴ・ファーローは、別れた妻ヴィッキ・ディーンに、いまだに未練がある。彼女はダンス振付の才を恵まれている美人なので、スチーヴがヴィッキを悔しがるのはもっともに違いない。とはいえスチーヴが女ひでりをかこっている訳ではなかった。彼のレビューのスター、リンダ・ロレンスは大いに彼に思し召しがあり、秋波をおくっているのだが、ままならぬは恋のみち、リンダには歌手のティトオが惚れ込んでいるという次第。ここにヴィッキが婚約者ジョン・ハァバーを伴って、ホテルに乗り込んで来る。ヴィッキはスチーヴに離婚承諾書に署名してもらおうとて訪ねたわけだ。実はスチーヴは一度サインしたのであるが、数時間後に消えるインクを使ったのであった。それにこりているヴィッキはジョンのペンで、スチーヴにサインさせる。そのサインした離婚承諾書を、ジョンは紙入れに入れて懐中する。スチーヴはそのときジョンとペンを取り替えるのでジョンは消えインクのペンを持っている。スチーヴはヴィッキと別れたくないので、その紙入れをアーキーというタキシー運転手にすり取らせる。スチーヴのインクのトリックを知っているアーキーは、紙入れの中のペンでスチーヴにサインさせたので、銀行に行ったら小切手にはサインがない。憤慨した彼はことの次第をリンダに話し、二人でスチーヴを探しに出かける。スチーヴはヴィッキとジョンと共に見物中であった。アーキーはスチーヴから例の紙入れをスリ取るが、スチーヴは取返してしまう。ちょう度その時警官が来て、スチーヴ以外の一同は留置場にブチ込まれる。スチーヴは保釈金を積んで皆を出すが、新聞写真班にジョンをよく撮らせる。ジョンはこれが新聞に載ると、アルゼンチンの商事会社との懸案の取り引きがおじゃんになる恐れがあるので、急いでブエノス・アイレス行きの飛行機に乗らねばならなくなる。例の紙入れはリンダが手に入れていて、ヴィッキに渡す。スチーヴはヴィッキにまだ愛していることを告白するほかはない。それを聞くと、ヴィッキも実は彼の離婚承諾書がぜひ欲しいという訳ではないと本音を吐いた。二度目のサインも消えてしまった方がいいというような訳で、ヴィッキはスチーヴと共に喜んでリオに永住することと相成ったのである。

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