昨日

解説

「裏町」に次ぐジョン・M・スタール監督作品で、フレデリック・ルイス・アレン作の小説を素材として、アーサー・リッチマンとジョージ・オニールが脚色にあたり、ウィリアム・ハールバットが台詞を付けた。主役はブロードウェイ心身の舞台女優マーガレット・サラヴァンが勤め、「裏町」「母性」のジョン・ボールズと「晩餐八時」にも主演するゆえフローレンツ・ジーグフェルド夫人のビリー・バークが相手役を演じ、「夫婦戦線」「カイロの一夜」のレジナルド・デニー、「シマロン(1931)」「頓珍漢大勝利」のエドナ・メイ・オリヴァー、「海の密室」「ロシア探訪飛脚」のベニタ・ヒューム、「裏町」のジョージ・ミーカー及びジェーン・クライド、オンスロー・スティーヴンス、ウォルター・カトレット、ノール・フランシス、オスカー・アッフェルそのほか素晴らしいキャストである。撮影は「夜の世界」「戦く幻影」のメリット・B・ガースタッドが受け持っている。

1933年製作/アメリカ
原題:Only Yesterday

ストーリー

1929年の秋、株式市場の大恐慌があって多くの人々が破産した時、メエリイ・レーンは世を去った、1粒種のかわいい息子ジムを残して。メエリンは親切な伯母さんジュリア・ウォーレンに後事を託したのだった、メエリイが富佑な株式仲買人ジム・エマローンに宛てた手紙の束もジュリア伯母さんが届けてやった。ジムは取り引き所が大混乱に陥ったその日やはり無一文になって力強く我家に帰った。家では株式の悲劇などは知らぬらしく、ジムの妻フィリスはおおぜいの友達を招いて宴会騒ぎをしているのだった。ジムは陽気な、気ままな妻やその友達を苦々しく思った。が今や無一文となったジムにとって彼らが何であろう。彼は潔く自決しようと思った。書斎の机の引き出しを開けて拳銃を取ろうとした彼の目に、見慣れない筆跡の手紙の束が移った。彼に宛てた見知らぬ女からの手紙--好奇の心から彼は1番上の手紙を開いてみた。読んでいくうちにジムは現在自分が破産したことも忘れ果て、昔彼がメエリイ・レーンと愛し合った思いでの中にいきたのであった。彼はあんなにも心を奪われたメエリイのことを忘れ尽くした自分が不思議にさえ思われた。メエリイの手紙によると、ジムがフランスへ去った後彼女は彼の種の男の子を生んだのだ。父無し子を生んだメエリイは厳格な両親の許を放逐されやさしいジュリア伯母さんの家に引き取られたこと、自分と子供との糊口をしのぐために辛酸をなめたことを、ジムは胸をむしられる様な辛さと共に読んだ。またメエリイはジムが彼女を再び訪ねて来ることを何んなに待ち望んだかを述べ、ある時ある騒宴の席上、彼女はジムと再会し、ジムは彼女の美しさに心引かれてか数時間を共に過ごしながら、彼女が彼の過去の愛人であることを思い出し得なかったこと、を綿々たる恨みと共に訴えている。しかも彼女はジムを愛する思いを捨て得ず、彼女を愛し彼女の力となったデーヴ・レイノルズと結婚もしなかったのだ。最後の手紙には、この手紙をお受け取りになる時には私は世を去っております、けれども貴方の息子のジムは居りますから会ってやってくださいまし、と書かれてあった。破産して落胆し尽くしていたジムはにわかに力と望みが胸の底から沸き上がって来る思いがした。今こそ彼は幼いジムのためには戦わねばならぬのだ。かくてジムは愛を失ってしまった妻フィリスと離婚し、かわいいジムの許へ行って、今は亡きメエリイの愛を思いながら新しい生活を開拓しようと決心したのであった。

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