黄金に踊る

解説

「街の風景」「今宵ひととき」と同じくサミュエル・ゴールドウィン・プロダクションで、大当たりをとったゾー・エイキンス女史作の舞台喜劇に基いてロナルド・コールマン映画の脚色者たり戯曲家たるシドニー・ハワードが脚色し、俳優として古くから知られているローウェル・シャーマンが監督に当たり「街の風景」「国際盗賊ホテル」のジョージ・バーンズが撮影したもの。出演者は「名門芸術」のアイナ・クレア、「若き血に燃ゆる頃」「印度の寵児」のマッジ・エヴァンス、「群集の喚呼」「ルンペン紳士」のジョーン・ブロンデルの三金髪女優を始め、「男子入用」「最後の偵察」のデイヴィッド・マナース、「希望の星」「クラック将軍」のローウェル・シャーマン等である。

1932年製作/アメリカ
原題:The Greeks Had a Word for Them

ストーリー

これは三人の、つまり、恋愛の対象にはお金以外の何物をも意に介しないニューヨークムスメの恋愛記録である。もっとも娘といっても、三人組の姉御株のジーンはさすががっちりしたもので、ニューヨークで老人のお旦那から相当巨額のおたからを絞りあげて、花のパリへしけ込んだまでは宜かったのだが、株の暴落にひっかかり、着のみ着のままでニューヨークへ帰ってくる。これから、ニューヨークのモダンガール三銃士、ジーン、ポレール、シャッツェは格好な紳士を世話してやろうということになる。ジーン帰朝の晩に早速、女三人とポレールの友達で大金持ちエムリイの伜デイ、それに金廻りのいいピアニストのボリス・フェルドマン、の五人でささやかなパーティを開いたのである。フェルドマンの金ばなれのよさにジーンが、芸術家としての天分に若いだけにロマンチックなところが抜け切らないポレールが夫々まいってしまう。ポレールは彼女たちが信ずる黄金第一主義に反して、本当はデイと惚れ合っていた筈なのであるが、その晩は何うしたはずみか、フェルドマンの巧い口の端に乗せられて、デイと喧嘩別れして了ったのである。フェルドマンをものにしたジーンは、もともと音楽なんてものに趣味も興味も持っていないので、いつしか二人の間には秋風が立つ。そこでジーンは今度はデイを篭絡しようとかかったので、すっかりポレールとシャッツェを憤慨さして、絶交されてしまう。で、結局ポレールとデイの仲は戻り、ポレールは到頭天下晴れてデイの父親ジャスチン・エムリーと対面する段取りに漕ぎつけたその当日、何を思ったかジーンはポレールは無事だったが、ポレールやシャッツェの後を追ってエムリー家へ乗込み、父親のジャスチンに会ってたちまちマンマと篭絡して了い、結婚しようという話まで運んだ、おかげでポレールとデイとの芽出度い話はすっ飛んで了った。さてジーンと親爺のエムリーとの結婚の当日--重なる恨みを報わんと一計を案じたポレールとシャッツェは酔っぱらってジーンの部屋を襲い、自分たちの自由気侭な楽しい生活を讃美し、老人との結婚生活の味気なさを痛罵したので、すっかりその気になって了ったジーンは、結婚はそのまま打っちゃらかして、シャッツェに誘われる侭にパリ行きの汽船に乗り込む。その船には誤解のとけたデイとポレールも乗っていた。二人は平凡に恋を語っているのだが、ジーンとシャッツェは又しても一人の「かも」をめぐって喧嘩を始めたのである。

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