オーバー・ザ・ヒル

解説

甞てサイレント時代に映画化されたウィル・カールトンの詩をトーキー化したもので脚色は「女性に捧ぐ」「我が心の歌(1930)」のトム・バリーと「肉と霊」「春を讃えよ」のジュールス・ファースマンの二人が当たり、監督は「春を讃えよ」のヘンリー・キングが受け持った。出演者の主なる顔ぶれは昔鳴らしたメイ・マーシュを始め、「悪魔の日曜日」のジェームズ・カークウッド、「バッド・ガール」のジェームズ・ダン、「モダーン西部王」「バッド・ガール」のサリー・アイラース、エドワード・クランドール、オーリン・ハウランド、「乗合馬車」のジョーン・ピアース、クレア・メイナードなどでカメラは「女性に捧ぐ」「春を讃えよ」のジョン・サイツ担当。

1931年製作/アメリカ
原題:Over the Hill

ストーリー

シェルビー夫婦には男三人、女一人の子供がありました。妻は怠け者の良人に仕え貧しいなかに不平も洩らさず子供の養育にいそしんでおります。末弟のトミイは悪戯っ子である日学校で兄のアイザックが女の先生とキッスしている絵を描いて発見されますが卑怯にも彼はこれを中兄ジョニイのものにします。ジョニイは弟のためにこの罪を甘んじて引受けますが家に帰ってからもこのことで父に鞭打たれ母の慈愛に辛くも救われます。それから15年の月日が経ちます。あるクリスマスの前夜、成人して別々に暮らしていた兄弟たちが久しぶりで親の家に集まります。もちろんこの中には親孝子のジョニーもいましたが彼が相思の間柄であるイサベルを家まで送って行った時、帰途彼は酒密売者と役人との争いに出会います。そして驚くべきことにはその密売者中には自分の父も混ざっているのを発見します。ジョニーは父を庇って罪を引き受けそのため冷たい鉄窓の下に三年を送らねばなりませんでした。その刑期をようやく終えて村へ帰って来た時ジョニーが最初に聞いた言葉は「前科者」という罵言でした。そのうえたった一人の父親の死。けれども彼は悲しさと口惜しさのなかからある堅い決心をしました。そして大切な母親を長兄アイザックに預けて遠い北の国アラスカへ働きに行きます。ジョニーは毎月々々働いて幾らかの金をアイザックのもとまで送り母の面倒を見てくれるよう、くれぐれも頼みますが欲ふかな長兄はこれを残らず着服するのでした。そればかりかジョニーの消息が一時途絶えた時、彼は母親を厄介者扱いにして出て行けがしの態度をとりました。母親はそこで仕方なく丘の向こうの養老院へ引取られるように願い出ます。数年後ジョニーは成功をして村へ帰って来ます。そして愛人イサベルからすべての話を聞いた時さすが温厚な彼も憤激して長兄を捕らえて養老院から母を引取って謝罪させます。ジョニーの出現は母をどんなに喜ばせたことでしょう。やがてイサベルを加えてこの三人は仲良く暮らすことになりました。

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