アリス・アダムス

劇場公開日:

解説

「心の痛手」に次ぐキャサリン・ヘップバーン主演映画で、ブース・ターキントンの小説に基づいて「小牧師(1934)」のジェーン・マーフィンがドロシー・ヨースト及びモーティマー・オフナーと協力して脚色し、「旅烏子供連れ」のジョージ・スティーヴンスが監督に当たり、「心の痛手」のロバート・デ・グラスが撮影したもの。助演は「輝ける百合」「名を失える男」フレッド・マクマレイ、舞台に名高いフレッド・ストーン、「明日なき抱擁」のイヴリン・ヴェネブル、「海軍士官候補生(1933)」のフランク・アルバートソン、「フランダースの犬(1935)」のアン・シューメイカー、チャールズ・グレイプウィンなど。

1935年製作/アメリカ
原題:Alice Adams
劇場公開日:1936年3月

ストーリー

米国の田舎町にアリス・アダムス(キャサリン・ヘップバーン)という娘がいた。父はラム薬品商会の書記で、兄は同じ町の会計を勤め、一家は質素な生活を送っていた。父も兄もこの境遇に甘んじていたが、アリスと母は人生の夢を捨てていなかった。母は娘に世間並の快楽や贅沢を与えたいと願い、夫に今の勤めをやめてもっと収入の多い仕事を始めるように勧めていた。アリスは美しい着物を着て、友人のミルドレッド(イヴリン・ヴェネブル)やヘンリエッタのように、若い男たちからもてはやされたいと願っていた。ある夜、アリスはミルドレッドの家の夜会に招待された。兄のウォルター(フランク・アルバートソン)は、渋々ながらボロ自動車で彼女を連れて行く。夜会の席で、アリスはアーサー(フレッド・マクマレイ)という青年と出会う。彼女はこの金持ちの息子アーサーと恋し合うようになる。一方父親は妻の勧めに従い、会社を辞し、家を抵当にして、膠工場を起こした。アリスはアーサーと交際するうち、家の惨めなことを知らせまいと、あらゆる苦心をしたが、母は娘の幸福を喜ぶ余りアーサーを晩餐に招待する。しかしこのために、アリスが今までアーサーに話したことがすべて嘘であることが判ってしまう。そこへ、ラムが訪れて、ウォルターの金消費を告げ、おまけにアダムスの膠工場の向かい側に膠工場を開くつもりであると語る。そこでアダムスは、数年前彼が膠工場の計画をラムに勧めて否決されたが、もしもその時実行していたら、今ごろは立派に暮らしているはずだと訴える。ラムは物の判った人物で、早速自分の不明を詫び、アダムスの工場と合併する案を提議し、またウォルターの罪を赦そうと約束する。アリスはこの論争をアーサーがすっかり聞いたと知り、今までの見栄を捨て、アーサーに真実を物語る。アリスを愛するアーサーは、今までの嘘を快く許すのだった。

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受賞歴

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映画レビュー

4.0キャサリン・ヘプバーンの見事な感情表現が見られる映画

2022年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

大好きなキャサリン・ヘプバーン主演作なので、購入しておいたDVDで観たが、貧しい家の娘が一生懸命に生きる姿を見せてくれる佳作。
購入DVD(ブロードウェイ社製)は『乙女よ嘆くな』であるが、従前からは『アリス・アダムス』のタイトルで知られた作品。⇒アリス・アダムスは主人公女性の名前

キャサリン・ヘプバーン初期の主演作なので、彼女がとても若々しく、『勝利の朝』でアカデミー主演女優賞を獲ったあと、本作では2度目のノミネート。
喜怒哀楽が豊かな女性アリス・アダムスを演じていて、恋する乙女を見事に体現した作品となった。

貧しい家庭という環境の中で、背伸びして社交界に何とか入りたいと願うアリス・アダムスという女性が、他女性と婚約話もある男(フレッド・マクマレイ)と……という流れであるが、全体的には「貧困から来るツラサ」がやや前面に出ている。
しかし、そのツラサを前に出したからこそ、最後にジンワリ来る物語となっており、ジョージ・スティーヴンス監督の演出は見事。

この映画、DVDレンタルされていないので、新品DVDを購入したのに、長期間にわたり放置していたことを反省…(^^;

未見のキャサリン・ヘプバーン出演作は少なくなってきたが、やはり全作品を観たくなる名女優であることを再認識させられた。

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たいちぃ
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