劇場公開日 2013年9月20日

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「皮肉的手法としてのSF」エリジウム crawlonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0皮肉的手法としてのSF

2013年9月25日
PCから投稿

興奮

寝られる

『第9地区』のニールブロムカンプ監督作品。
今作では、異星人こそ出てこないが、人間同志において「地球外と地球内」の二層に隔てられている。富裕層は「地球外」すなわち「宇宙人」であり、貧困層は「地球人」であるという設定は『第9地区』とは真逆であり興味深い。

そもそもSFを皮肉的手法として用いる意義とは、人間世界での惨たらしい出来事を昇華させることで、黙殺しかねない事柄を遠回しに表現することにあると考える。とすれば、本監督が描き出すSFとは『アバター』の其れとは類を異にし、その真逆を進むものと捉えることができる。
つまり、悽愴な現場をSFという相乗的効果で以て一段と「酷い現状」を観客に提起するという訳だ。
ブロムカンプ監督の出身地である南アフリカ共和国に、ストーリーのルーツはあるに違いない。

にしても、『第9地区』の「アナザーストーリー」的な今作の衝撃はどうしても緩和されてしまい、新鮮さは残念ながら無かったように思う。

crawlon