劇場公開日 2013年5月18日

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「さかなクン? or ふなっしー? その生き様」ビル・カニンガム&ニューヨーク とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5さかなクン? or ふなっしー? その生き様

2020年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

萌える

ぶれない。自分の”好き”を貫く。
マスコミにもてはやされてもおごり高ぶらず。波に飲み込まれることもなく。
周りへの配慮も怠らないけど、迎合もしない。そして誰かを傷つけない。

つい、権勢とか、豪華な暮らしとか、そういうものに溺れそうになるけれど、彼らにとってはそんなことよりは自分の”好き”を貫く方が大切なんだろうな。

周りの興味と自分の”好き”が合えば、世間から認められるけど…。

彼らのような生き方に憧れるけど、誰からも認められなくても”自分の好き”を自分で認めて愛していける、そんな覚悟を持てるかどうか。

ビルが目を止めるファッションも、そんな確立した自分を表現したものばかり。

NYのファッションも堪能できるけど、生き方を学びました。

  ⁂ ⁂ ⁂

とはいえ、映画としては、カニンガム氏とファッションとNYに焦点を当てていて、散漫になってしまった。おしい。へたなバックミュージックを付けなかったところはよかったけど。
 映画としては☆3つ。

でも、この映画を通して、こんなに魅力的な方とその偉業を知ることができました。
 カニンガム氏が担当したコラムは、歴史的価値もあるという。最初から最後のコラムまで通してみてみたい。ものすごいインパクトがあるだろうな。ファッションの変遷にしても、彼のクリエイターとしての画面構成にしても。想像するだけでワクワクする。写真を並べるだけの展覧会ではだめなんだ。『コラム』として、ぱっと目に飛び込んでくる時の印象、そして記事を読ませる力の画面が見たい。味わい、眺めたときの印象…。

”映画としては”を置いておいて、カニンガム氏の笑顔とその生き方に魅せられる。
カニンガム氏や、彼に写真を撮ってもらえた(センスを認められた)人々の戸惑い、照れ、そして自信に、何度も触れたくなる。

万人受けはしない。
けれど、心や美意識の琴線に触れる人はいるはず。

とみいじょん