「ジョニ・ミッチェル、リンダ・ロンシュタット、スティーヴィ・ニックスと並んで歌わされたら」ピープル・ライク・アス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ジョニ・ミッチェル、リンダ・ロンシュタット、スティーヴィ・ニックスと並んで歌わされたら

2018年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 オープニングから音楽映画の匂いがぷんぷん漂ってくるのですが、亡くなった父親ジェリーは音楽プロデューサーという設定のため、そこまで深入りしてない。だけど、もう一つの家族であるフランキー(エリザベス・バンクス)の母親はキング・クリムゾンのコンサートで知り合ったというし、サムの母(ミシェル・ファイファー)はジョニ・ミッチェルたちと並んで歌わされ、そのまま付き合った経緯があるという、70年代音楽ファンを喜ばせる内容だ。ジョシュのキース・ムーンばりのドラムテクニックも伏線となっている。

 ただ、そうした音楽の面白さはあるのに、ストーリーは単純。弟であることを名乗りだせない辛さと、法律違反の取引により仕事がうまく行かなくなった苛立ち。その上、恋人のハンナ(オリビア・ワイルド)も帰っちゃうし・・・もう、父の死の悲しむ暇がないほどのプレッシャーがあったサム。弟だと言えないまま実姉フランキーとジョシュに深く関わってしまい、遺産も渡してOKだと感じたサム。しかし、FTCの本格的捜査により、金を渡すべきかどうか悩む・・・

 サムが遺産を渡すかどうかといった心理面もスリリングに描いてるし、フランキーのサムに対する心情変化も興味深いところ。フランキーが誰とでも寝る女と聞かされても、実姉だし、自分たち親子だけが幸せだったという罪悪感も上手く描かれていた。ジョシュにいたってはサムを信頼しきってるし、CDを聴く順番も、6つのルールを忠実に守ろうとしているところが可愛い。

kossy