劇場公開日 2012年1月28日

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J・エドガー : インタビュー

2012年1月10日更新
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レオナルド・ディカプリオ、イーストウッド監督とのタッグは「これ以上ない幸せ」

レオナルド・ディカプリオほど、特異な立場にいるハリウッドスターも珍しい。エンタテインメント大作を避け、自らが情熱を傾ける野心的な作品を選ぶ傾向があるのにもかかわらず、トップスターとしての立場を維持しているのだ。賞レースに絡むような、クオリティの高い作品を連発してこその偉業といえるが、そんな卓越した鑑識眼を持つディカプリオが選んだ最新作が「J・エドガー」。初タッグを組んだクリント・イーストウッド監督のもと、キャリア最大の難役に挑んだディカプリオに、米ビバリーヒルズで取材した。(取材・文/小西未来)

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――これまでに伝記映画はいくつも経験されていますが、これほど幅広い年齢を演じたのは初めてですよね。

「役者としては初めての挑戦だった。なにしろ1週間のうちに、19歳のJ・エドガーと74歳のJ・エドガーを演じることがあったからね。同じ人間でも、ふたりは人生経験がまるで違うから、身体的特徴から動作、話し方まで変えなくてはならない。おまけにクリントの撮影のペースはものすごく早いから、ついていくのが大変だったよ」

――年上と年下とどちらが難しかったですか?

「やっぱり年寄りを演じるほうがずっと難しいね。ひとつ誤った動作をすると、観客にバレてしまうから(笑)」

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――(笑)

「発声法を間違えただけで、観客は興醒めしてしまうし。それにしても、自分と同年代の共演者に向かって、まるで50年も多くの人生経験があるかのように語るのは、不思議な感じがしたよ。『聞け、若造』という感じで(笑)」

――あなたはたくさんの有名監督と仕事をしていますが、イーストウッド監督の特徴をひとつ挙げるとしたら何でしょうか?

「彼と仕事をしたことがある人は誰もが同意してくれると思うけれど、クリントっていうのは、とても直観的なアーティストだ。クリエイティブ上のあらゆる決断において、自分の直感を完璧に信じる。監督としてはもちろん、役者としても彼はそうだった。演技には大仰なところがいっさいない。その瞬間に完璧に捉えて、心のままに素直に演じる。そのスタイルは演出法にも通じている。基本的には、俳優におおまかな指示しか与えない。でも、たまに辛らつだけれど素晴らしいひと言を授けてくれる。そのシーンを演じるにあたり、まさに必要としていたひと言を与えてくれるんだ。シンプルな言葉なんだけれど、すべての方向性を変えてしまうほどインパクトがあるんだよ。これほど直観的で、しかも、演技においてこれほど信頼できる人のもとで仕事をさせてもらえたのは、これ以上ないほどの幸せだった。自分の持てる力をすべて注ぐことができたのは、クリントのおかげだよ」

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