劇場公開日 2014年2月28日

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「最終章へアクセル全開! 究極のアドベンチャー体験!!」ホビット 竜に奪われた王国 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5最終章へアクセル全開! 究極のアドベンチャー体験!!

2014年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

いやいや、いやいやいや、
こんなに短い160分間ってあるだろうか?
ブッ飛ばしている。フルスロットルでブッ飛ばしている。
隅から隅までムチャクチャ楽しかった!
これが、これこそが『アドベンチャー超大作』だ!!

* * *

今回は前作よりアクション大増量。
そして新たな舞台、新たなキャラクターも満載だ。

エルフの中でも特に冷たく不穏なエルフ王スランドゥイル。
若さ故か、前3部作と異なり烈しさを感じさせるレゴラス。
凛とした強さと優しさで魅せる近衛隊長タウリエル。
アゾグの後釜として登場する醜悪なオーク・ボルグ。
一見粗野だが意外なバックグラウンドを持つ謎の船頭バルド。

主役だってもちろん頑張ってますよ。
ビルボは前作以上に頼りがいがあるし、ドワーフ達
(特にご意見番バーリン)の信頼も深まってきた。

逆に心配なのは旅のリーダー・トーリン。
今回の彼は王国の再建に躍起になりすぎていて、
冷徹な面や軽率な行動ばかりが印象に残る。
次作では自分の決断を大いに後悔する瞬間が
訪れるのでは……。王様、これから大丈夫かい?

そして忘れちゃいけない、暴竜スマウグの登場!
スマウグは単なる怪物と違い、人並みに知恵が回り、
相手の弱みにつけこむ術も知っている。
その上、絶望的なくらいにデカいし堅いし強い。
おまけにナパーム弾みたいな炎まで吐くんだから
どうやって退治しろっつうのよってレベル。

* * *

クライマックス、スマウグVS旅の一同の大バトル。
上へ下へと必死に逃げ惑いながらチームプレーで
一矢報いる展開に燃える燃える!

さらに、物語中盤のタルに入っての激流下り--
これはもう間違いなく、ここ1年で最も凄いアクションシーン!
アイデアとユーモア満載で描かれるエルフ/オーク/ドワーフの
大乱戦に加え、3Dでザッパザッパ飛び散る水飛沫の迫力!

待ってましたのレゴラス&タウリエルの弓捌きは
これでもかというくらいに流麗でカッコいいし、
仲間の為に漢気を発揮する熱い男キーリや、
太っちょボンブールのまさかの大活躍(笑)など、
大アクションの中でもしっかりとキャラを語る点も流石!

他にもクモ嫌いなら悶絶必至のバトルシーンやら
ガンダルフVS◯◯◯◯やら湖の町での密室格闘やら
アクションシーンの満漢全席だ。

* * *

ただ、あまりに見せ場が満載過ぎて、こっちの
体力と集中力が最後まで持たなかったのが残念(笑)。
3時間以上のエクステンデットエディションにして
インターミッション挟んだらちょうど良かったかも。
(それくらい長くてもこの出来なら喜んで観る)

また、ストーリーがテンポ良く進み、アクションシーンも
大幅増加している分、各キャラの心理描写は前作より薄めに
なってしまっている感もある。

* * *

それでも感情豊かな映画だ。
指輪への渇望と恐怖がない交ぜになっているビルボ、
ドワーフとエルフの確執、富に目が眩んだ人々の選択、
募るトーリンへの不信感……この映画には
『愉快なアドベンチャー』というだけではない深みがある。

それに、タウリエルとキーリの種族を越えた関係や、一同が
遂に“我が家”へ辿り着いた瞬間には思わず涙ぐんでしまった。
このキャラ達にいつの間にか感情移入してしまっているのだ。

* * *

「えー、ここで終わり!?」と悲鳴を上げたくなる今回の幕切れ。
三部作だから覚悟はしていたけど、まさに蛇の生殺し(笑)。
終わるのがこんなに残念な映画なんてなかなか無いよ。

あらゆる邪悪が目覚め始めた第2章。
スマウグとの戦いはこれからが佳境だし、
アーケン石が単なる財宝以上の価値がある事が分かり、
前作で登場したネクロマンサーの正体も明かされ、
いよいよ物語は中つ国全体を巻き込むスケールを匂わせてきた。
この調子なら、3作目では『二つの塔』『王の帰還』のような
大規模な戦闘シーンも観られそうだ。
トーリンも心配だし、ビルボと指輪の今後も心配……。

こんな状態で1年待ちだなんて……
もう来週あたりで3作目やってくださいよッ!!

<2014.03.01/07鑑賞>
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余談:
鑑賞環境について。
鑑賞可能な方なら、今回はHFR3D版を僕は推します。

前作のHFR3D版は『なんだかテレビっぽくてファンタジー感
が大幅に薄れてしまう』と個人的には大いに不満だったのだが、
今回のHFR3D版はそれがなぜかあまり気にならなかった。
何か調整がかかっているのかなあ。それとも劇場によって
見え方が違うのかしら。

そこが気にならなかった分、激しいアクションや暗いシーン
では、滑らかで明るいHFR3Dの方が有利であるのにも気付く。
たいていの劇場では通常の3Dは画が暗く色褪せてしまうので、
この色鮮やかな世界観を味わうにはHFR3Dが良いかと。
IMAX HFR3Dが観られる方なんて、ホントにうらやましい。

あと、東海地方だけかもしれないが、どの劇場でも、
3D字幕版はHFR3D版でしかやっていない様子。
字幕派の僕なのだが、2回目は3D吹替版で鑑賞。
吹替えもグッドでしたよ。

浮遊きびなご
としぱぱさんのコメント
2014年3月9日

浮遊きびなごさん
こんにちは。

面白かったですよね。
私はLORの最終作が一番好きなのですが
今作品は負けず劣らずです。

レビュー、全くの同感です。
共感できるなあ。
最後の残念さも含めて。

私は2D字幕だったので、
次は3D字幕版を見ようと思ってます。

最終作楽しみですね。
スマウグ並みに首長くして待ちましょう!

としぱぱ