劇場公開日 2011年6月25日

「一つの偽札から始まって、ブルーカラーの男性がひたすら堕ちていく物語...」ラルジャン ケさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0一つの偽札から始まって、ブルーカラーの男性がひたすら堕ちていく物語...

2022年6月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

一つの偽札から始まって、ブルーカラーの男性がひたすら堕ちていく物語だった。これが技巧派の小説だったらドミノ倒しのように影響が広がって、それが一つのシーンに収束する形でラストシーンを迎えると思うのだけれど、この映画は違う。並行して動いている人々の物語は、つながりそうでつながらないまま、男は「悪事」をひとつづつこなしていく。実存主義的なレアリズムがバチバチに効いている。映画の盛り上がりを楽しみにすると肩透かしを食らうけれど、胃袋の中に違和感が残り続けるようなそんな映画だった。

ケ