劇場公開日 2007年3月3日

「切ないという言葉がこれ以上合う映画は無いかも」秒速5センチメートル foolさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5切ないという言葉がこれ以上合う映画は無いかも

2022年11月12日
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新海誠作品の中では、ダントツに好き

三部に分かれて、主人公の心の移り変わりが描かれている

桜、雪、宇宙、星、海

淡い初恋が、隔たれた距離で想いを深くしたり
後悔で蝕まれたり
何度見ても、心臓がぎゅっとなる

あの時こうしていれば
あの時こう言っていれば

幼いからこそ、若いからこそ
紡げなかった時間が心を蝕む感覚
経験していなくても、その心情は
手に取るように理解出来て、苦しくなる

「時間ははっきりとした悪意を持って………」
なんて台詞、どうやったら思い付くんだろう

映像の美しさや、微細な動きは
新海誠氏の真骨頂と言える

光の入り方、教室の机や椅子、電光掲示板
電気のちらちら動く感じ
全てが美しい
電車の連結部分の動きなんて、もう鳥肌が立つ

心情を察しろではなく、モノローグで語り尽くす感じも
この作品だからこそ、いいと思える

時速5キロ
秒速5センチ
リンクする気持ち
あぁ、切ない………………………

ラストシーン、山崎まさよしの曲にリンクさせて
カットで流れるシーンは何度見ても
見入ってしまう

fool