劇場公開日 2011年9月10日

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「大泉洋ならではのコミカルさ+渋み・苦みもあって、基本楽しめた探偵物でした」探偵はBARにいる スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大泉洋ならではのコミカルさ+渋み・苦みもあって、基本楽しめた探偵物でした

2017年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

楽しい

どこか懐かしさを感じれるような、昭和テイストのハードボイルド風探偵物でしたね。
とは言ってもそこは主演が大泉洋だけに、彼らしい笑いを散りばめたグダグダ系の探偵でしたが、要所要所で魅せるところはしっかりと魅せる。
まあシリアスなシーンが似合わないと言えば似合わないし、カッコつけているのがちょっと鼻につく部分もあったりはしたのですが、何だかんだで彼だからこそ惹きつけられた作品ではあったかなと、最後はハードボイルド物らしい苦みのある味わいを感じ取れたのも好ポイント、やっぱりハードボイルド探偵物は爽快感ではなくほろ苦さがあってこそですよね~。
渋くて、それでいて笑えて、なかなか面白い大泉洋らしい探偵物だったと思いましたよ。

探偵の名前は語られず、終始「俺」だったのも、昭和風味で何か良かったですね。
そして携帯は持たず、BARの黒電話でのみ依頼を受け、更には美女に弱いと来たもんだ、まさしく昭和の探偵小説そのもののような主人公の設定が、懐かしくて結構ツボでした。
ただ、やはりと言うかそこは渋くてクールなだけでは個性が死んじゃう大泉洋ですから、相当な確率でドジを踏む辺り、お茶目で憎めない何とも愛すべきキャラクターでしたね。
冷静に考えると、ストーリー的に彼は大して役に立っていなかった気もしないではないのですが、まあ面白かったのでこれはこれでOKでしょう。

一方、相棒の松田龍平演じる高田のキャラが、俺以上に個性あふれるキャラクターで、相当ツボに嵌りました。
寝てたり何か食べていたり、相当ぐうたらな貧乏学生でしたが、使えなさそうでいざとなったらバリバリのアクションを見せるから何とも頼もしい、けど・・・真価を発揮するまでに時間が掛かるのが何とももどかしい(苦笑)
まあでも松田龍平は探偵が似合うお父さんとは違う魅力で探偵を引き立てる、ナイス助演っぷりで見る者を楽しませてくれました、ポンコツ車もいい味出してましたねぇ。

ストーリー・謎解き要素に関しては特筆するほどの内容では無かったですし、コンドウキョウコの正体もバレバレでしたが、何だか最後は切なくて、主人公同様ほろ苦い気分にさせられました。
ところで吉高由里子は、何?ミスリード要因?贅沢な使い方でしたが・・・。
まあしかし本作での小雪は美しくて謎めいていて悪女っぽくもあって、なかなかの嵌り役でしたね。
彼女に翻弄される大泉洋の図が、結構好きでした。
ススキノ界隈の愉快な仲間達も皆味があって良かった、特に安藤玉恵のウエイトレスが妙にクセになる感じで面白かった!
若干間延びした部分はありましたけど、でもシリーズ化も納得のコミカルなハードボイルド風探偵物で、基本面白かったですよ。

スペランカー