劇場公開日 2012年3月2日

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「この作品に感動してはならない、恐ろしさを感じ取らなければならない。」戦火の馬 みみみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この作品に感動してはならない、恐ろしさを感じ取らなければならない。

2024年3月4日
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鑑賞方法:その他

機会技術が乏しい時代、動物を機械にする。

馬という生き物が、どのように使われていったのか。
時間が進むにつれ、戦前、戦時中、戦後によって変わる馬の役割を映画の中で示す。

日本でも馬を戦力にした作品は数多くあり、実際に書物でも残されている記録ではあるが、これがどれほど恐ろしく悲しいことなのか。

今では機械化されることにより、また時代の中で動物を守られるべきという思考や、人間の身勝手な行動で、動物に影響を与えるようなことをしてはならないということも多く語られている。そのような物事の中でも、戦争が1番恐ろしいことなのではないか。

これは喋ることの出来ない馬を主人公にしているだけで、戦時中権力者によって自分の思考を放棄して戦わなければならない私たちを表しているわけでもある。
第一次、第二次世界大戦なら戦わない、祖国を裏切るという行為は大罪であり、それに恐れ何も言えない軍人や、祖国で待つ女性や子供たちでもある。

馬を通して私たちは何を想像し、何を感じるのだろうか。

トロイ戦争は起こらないでもあったように、戦争は起こしてはいけないもので、権力者たちの身勝手な行動の恐ろしさを感じ取るのではないだろうか。

みみみ