劇場公開日 2011年3月19日

  • 予告編を見る

「高評価されるような映画ではないけど、ゆるさが妙にツボ」市民ポリス69 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5高評価されるような映画ではないけど、ゆるさが妙にツボ

2016年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

はっきり言って相当くだらない映画ではありましたが、でも、どこか憎めないと言うか、ユル~い作風が、妙にツボな映画でした。
まあ主演があの酒井敏也と言うだけでも相当ユルいだろうなと容易に想像は付いていましたが、その想像をはるかに超えるレベルでユルかったですね。
でも哀愁漂う酒井敏也の雰囲気と作品のユルさが絶妙にマッチしていて、これはこれで十分ありだとは思いました。
ただ惜しいのは、終盤の展開はさすがにダレた・・・ユルい銃撃戦がいくらなんでも長すぎ、思わず見ている方もトイレに行きたくなりましたよ(笑)
102分の上映時間でしたが、出来ればこの内容なら85分前後ぐらいでまとめて欲しかったですね。

さて、舞台となったのは犯罪が今より多発している東京で、善良な一般市民から毎月100名がランダムで選ばれ、30日の期限付きで警察と同等の権限で犯罪者を取り締まることが出来る「市民ポリス」なる制度が施行されていた世の中でしたが、これはもしかして裁判員裁判を揶揄していたんでしょうかね?
自分には関係ないと思っていたら、突然変な責任と権力を押し付けられ困惑する様子は、まさにそれって感じでしたから・・・。

酒井敏也が演じた芳一も、30日間出来るだけ面倒には関わらず過ごそうとしていましたが、ひょんなことから権力の「カ・イ・カ・ン」(酒井敏也だけに)を知ってしまい暴走する様子は、ある種現代社会を如実に表していたなと・・・ユルい作風ながら、何気に考えさせられることも多分にあった映画でした。

とは言え、基本的にはドタバタ劇、何故か酒井敏也と早見あかりのありえないラブコメが展開されたり(ももクロのゲスト出演あり)、佐藤二朗ワールドがチョイチョイ炸裂したり、おいしいところは津田寛治が持って行ったり、ジャケ写の割りにお色気担当の原紗央莉の出番が少なかったり、チョイ役の錦野旦が妙に面白かったりと、何をしたいのかよく分からない深夜ドラマのようなノリの映画でしたが、何だかんだでそれなりには楽しめました。
しかしユル系が苦手な方は、チープ過ぎて見ていられない可能性が高いのでご注意を・・・。

スペランカー