劇場公開日 2011年6月18日

  • 予告編を見る

「格好悪いダンディズム」あぜ道のダンディ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5格好悪いダンディズム

2013年1月12日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

幸せ

妻を早くに亡くして以来男手一つで息子と娘を育ててきた宮田淳一。家では子供たちに見栄を張り、ろくに会話も無い。ある日、子供たちの大学進学が決まり…。

「川の底からこんにちは」の石井裕也監督が名脇役・光石研を主演に迎えて送る可笑しさと哀愁たっぷりのコメディ。

「川の底からこんにちは」もそうだが、主人公に共感出来るか否かで映画の見方が随分と変わる。
子供の前では見栄を張り、悪友にはちくちく嫌みを言い、世間には不満だらけ。
でも実際は小心者で不器用。
今の時代男は生きづらく、ダサくて格好悪いけど、ダンディでありたい。
うわッ面倒くせぇ…と思うけど、こういう中年男あちこちに居るんだろうなぁ。
光石研が滑稽に演じれば演じるほど不思議と親近感沸いてくる。
宮田にさんざん嫌み言われても友達やめない真田。イイ奴だよ、ホント。演じる田口トモロヲが光石研と絶妙な掛け合いを見せる。
ほとんど会話がない宮田親子だが、実は似た者同士。
不器用にしか接する事が出来ない父と、父には感謝してるけど今更ありがとうの言葉も恥ずかしい子供たち。
大丈夫、子供たちはちゃんと分かってる。
だって、そんな格好悪くてダンディな父を見てきたんだから。

近大