劇場公開日 2011年8月27日

「加賀まり子」神様のカルテ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0加賀まり子

2019年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 原作者が現役医師であるせいか、医療現場はとてもリアルに作られているように思える。“医局”ということに関してだけでも、医局に入らず一匹狼という存在が浮き彫りになるし、小病院の当直や救急医療の実態、地域医療特有の小さな診療所への派遣などなど実態がよくわかる。ストーリー自体はかなり薄いのだが、このリアルさによって医師や医療スタッフへの感謝の念を再認識。

 リアルさとは対照的に、栗原夫妻(櫻井、宮崎)の住む下宿先が元旅館であるという不思議な設定だ。そこには昭和初期を思いだたせるようなバンカラの雰囲気も漂っていて、画家志望の男爵(原田泰造)、学士殿(岡田義徳)といった面々がなぜかストーリー全体からは浮いているのだ。ちょっともったいない。

 末期がん患者の治療、映画やTVドラマのテーマにもよくなっているが、どことなくホスピスの役割も担ってる病院といったところだろうか。『梅ちゃん先生』でもやってるし・・・

 それにしても加賀まり子の演技がいい。こんなおばあちゃん役をやるようになったんだとショックだけど(笑)。吉瀬美智子の存在がよくわからんが・・・。古株の医師・柄本明や大学病院教授の西岡徳馬もいい。そして櫻井の演技も大したことないと思われがちだが、患者の目を見つめない目線が医者らしくて見事。医者の半数は目を見つめないといったところをうまく表現しているなぁ。

kossy