劇場公開日 2010年12月23日

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「うまい具合に、TVレギュラー放送に誘導されてしまいますね。」相棒 劇場版II 警視庁占拠!特命係の一番長い夜 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0うまい具合に、TVレギュラー放送に誘導されてしまいますね。

2010年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

大人気テレビドラマの映画化第二弾。ネタバレありです。

前回は、マラソン大会を人質に取った脅迫事件の影に隠された、ある親子の戦いでした。言ってみれば、普通の謎解きストーリーで、映画の中で謎は解かれたのですが、映画化第二弾の本作品は、それとはだいぶ異なり、趣向が凝っています。言ってみれば、TVシリーズの中に組み込まれた一つの長編とでも言いましょうか。映画の中で事件が発生するのですが、事件のクリアな解決には至らず、最後のところで、事件解決に向かう右京と言うシーンで終わっています。そういう意味では、事件の背後関係とか、その後の事件捜査とかありますので、TVシリーズを見ているファン向けの作品とも言えます。一つの独立した作品としてみるには、結末が、“あの通り”ですから少し厳しいかも。しかしそれは、つまらないという意味ではありません。事実、119分ある上映時間は、あっと言う間に過ぎていきました。

少しツッコミを。警視庁幹部12名が人質に取られているところのシーンですが、SITと第一機動隊で突入を図るというのは良いんですが、人が多すぎませんか? って言うか、それより何より、右京がロープを使って警視庁庁舎の外を下り、そして事件現場の写真を撮って戻ってくるというシーン。これは、ギャグですか? ちょっとやり過ぎな感じを受けました。

やり過ぎといえば、小西真奈美。好きな女優さんなんですが、今回の演技は、ちょっと微妙。上手いとか、下手とかと言うのでは無く、力が入り過ぎというか、何と言うか、ちょっと違う感じの印象です。何故に彼女は、左側からのショットを(必要上に)意識していたのでしょうか?

女優繋がりで、たまきさんのシーンですが、あのシーンの意味はないですよね? たまきさんが居ない相棒はないので(?)作ったシーンなんだと思うんですが・・・。割愛しても良かったと思います。

相棒は、どこかコミカルな所があるのが良いんですが、この作品では、上述の右京のロープ降下などがそれに該当するのだと思うんですが、コミカルに行ききれなかった感ありです。内容が結構シリアスと言うか、腹黒と言うか、そう言う内容なので、コミカルさを描ききれなかったんですかね。

結局、この映画の中では結末はわかりません。こうやって、テレビのレギュラー放送に誘導されてしまうのかなぁ。結構厳しめの事を書いてしまいましたが、面白く無いという意味ではありません。中々シリアスで、良い内容だと思います。スッキリ解決!と言う話を期待していると、外されると思いますが。

勝手な評論家