劇場公開日 2011年10月22日

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「何者でもないから何者にでもなれる」ランゴ ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0何者でもないから何者にでもなれる

2011年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

鑑賞前のざくっとした印象は、アニメーションで、カメレオンが主人公で、西部劇要素過多で、でも舞台は現代で、アクターがジョニーデップで―っていう、ジョニデ女性ファンとお子様ターゲットの向きというか、興味はあってもなかなか足を劇場に向かせないというか、でも面白そうじゃね?という、かなり微妙な境界線を歩ってる映画だなー、と感じていまして。自分は。
「レンタル待ち確定!」な人も多いんじゃないかしら?と勝手に思ってましたし、今でもまだこの映画ご覧になってなくて、その方向で評価されてる方は多いんじゃないかなあ、という(そうでもないスか?)。

こういう擬人化な物語って、夢はあっても惹きつける魅力を内包させて且つ文字通り夢中にさせなきゃ只の絵空事だし、この手の部門はピクサーの専売特許になりつつあるし、大の大人を振り向かせるには、それなりの準備というか(プロモ的な要素とか)、要するに生半では日本で通用はしない?かなり微妙かなあ、という。
んー、で。ま鑑賞してみてですね。

面 白 か っ た で す 。

ハイ。勘繰り過ぎました。
きっと何者にもなれないと思ってる凡人はゴマンと居て、でも夢想で描いてる自分的な理想像は頭で演じていて、引き出しから出したら理想の自分がスラっと出せて。多分、人間の根幹的な理想はそこだろうな、と思ってしまって。

この映画は、その自分的理想で通したら周囲が迎合してくれたっていう。
何者でもないから、何者にでもなれたっていう。
ヒーローになれるんですよね。
置き換えると、僕らはいつでもヒーローなんですよ。
ならば、いつでもヒーローを目指したい。

そういう気持ちにさせてくれた映画でした。

ロロ・トマシ