劇場公開日 2010年3月13日

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「【”海坂藩の女剣士、キッチリと恋心を抱いた男の無念を晴らすために筋を通す。”以登を演じた北川景子さんの美しき着物姿と、凛々しい女剣士として恋心を抱いた剣士の無念を果たす殺陣のギャップが見事な作品。】」花のあと NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”海坂藩の女剣士、キッチリと恋心を抱いた男の無念を晴らすために筋を通す。”以登を演じた北川景子さんの美しき着物姿と、凛々しい女剣士として恋心を抱いた剣士の無念を果たす殺陣のギャップが見事な作品。】

2022年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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■寺井家の一人娘・以登(北川景子)は、幼き頃から剣の使い手として一流の父(國村隼)に鍛えられてきた。
 そして、芳賀道場の、二番手、三番手を破っていたが、道場の筆頭剣士であり且つ、藩内随一の剣士と噂される江口孫四郎(宮尾俊太郎:今や、ダンサーとしてご活躍。)と、父に嘆願し、剣を交わす事で、彼に恋心を抱く。
ー 女人だからと言って、変に手加減しない孫四郎の姿が、眩しかったのであろう。-
 しかし、以登には決められた相手:片桐才之助(甲本雅裕)があり、孫四郎もまた上士の家の婿となる日が迫っていた。
 孫四郎への想いを断ち切る以登だったが、江戸詰めになった孫四郎自害の報せが届き…。ー

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・北川景子さんが本格的な殺陣に挑戦し、一途な女剣士を見事に演じている。相当に、訓練を積んだのであろう。それが、随所で見て取れる。
 ー 何故なら、私は剣道〇段なのである・・。(ホント、スイマセン・・。)ー

・江口孫四郎を演じたバレエダンサーの宮尾俊太郎の一徹な武士の姿も良い。

・卑劣な悪役で江口に”江戸での手順”を敢えて誤った手順を教えた、藤井勘解由を演じた市川亀治郎の姿も印象的である。
ー 市川亀治郎(現在、市川猿之助)は”龍馬伝”でも、龍馬を暗殺した人物を演じたが、この方は悪役を演じても、華がある。-

・今作の、影の主役は片桐才之助を演じた甲本雅裕である。長年、江戸詰めをした後に戻って来た彼は大飯食らいで、さりげなく以登の尻を触ったりする、一件下衆な男である。
ー だが、彼は、自分の婚約者のために、表面上はニコニコ笑いながらも、以登の無念の意を汲み、真実を探るのである。
  器の小さな男であれば、自分の婚約者が自分以外の男の名誉のために真相を探ることには同意しないであろう。が、彼は、以登も目にした孫四郎の婚約者であった加世(伊藤歩:実は私、ファンなんです・・。)と、藤井勘解由の関係性を明らかにしていく。
  片桐才之助の男としての器の大きさを感じさせる。(そして、年老いた以登のナレーションにあるように、彼は”以登と結婚後”、着実に出世していくのである。)-

・そして、藤井勘解由の悪行を手紙に認め、単身、藤井との決闘に臨む以登。藤井は、卑怯にも3人の手下を連れて来るが、以登は彼らを鮮やかに切り捨て、藤井との一騎打ちに。
 絶対絶命の状況になった時の、以登の”必死剣”。
それは、本当は男の子が欲しかった父から授かった短剣であった。

<藤沢周平の”海坂藩シリーズ”に外れなしの法則を引き継いだ作品。
 時代考証に拘った山田洋次監督作品集とは異なり、庄内弁は一切出て来ないが、しっかりと庄内平野を見下ろす、雪を抱いた月山が随所に背景としてどっしりと描かれている。
 北川景子さん演じる以登を始め、海坂藩(ホントは、庄内藩)の誇りある人々の姿が印象的な作品である。こういう気品ある時代劇映画を、もっと製作してくれないかなあ・・。>

NOBU
こころさんのコメント
2022年7月1日

NOBUさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
NOBUさんの少年剣士姿を勝手に妄想中 👀 ご両親も誇らしく思っていらっしゃったでしょうね。
他の部活動の邪魔にならないよう、校庭の端を剣道着を着た剣道部員達が素足で走っていた姿を思い出しました。中学の頃のお話ですが。
防具を着けると、夏場はかなり暑いらしいですね。精神面も相当鍛えられそうですね✨

こころ
こころさんのコメント
2022年6月28日

NOBUさん
有段者でもいらっしゃるのですね。
時代劇を観るポイントや深さも違いそうですね 🧐
思いやる心の温かさ、美しさがじんわりと沁みる作品でした。

こころ