劇場公開日 2010年9月18日

THE LAST MESSAGE 海猿 : インタビュー

2010年9月17日更新
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伊藤英明、「海猿」完結編で感じる初めてのプレッシャー

国民的な人気を誇るまでになった、海洋エンタテインメント「海猿」シリーズの劇場版1作目のクランクインは、2003年7月にまでさかのぼる。それから7年、9月18日に全国で公開される「THE LAST MESSAGE 海猿」で“2度目”の完結編を迎えるに際し、主人公・仙崎大輔役に情熱を注ぎ続けてきた伊藤英明に話を聞いた。(取材・文:編集部、写真:堀弥生)

(C)2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館 エー・チーム FNS27社
(C)2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館 エー・チーム FNS27社

同シリーズは当初、映画→TVドラマ→映画というメディアミックスの3部作で展開される予定だった。伊藤演じる仙崎は、潜水士になるための過酷な訓練を経て念願の海上保安官に。その後、先輩バディの殉職、新たなバディとの友情、絶体絶命のフェリー事故を経験し、救助のエキスパートとして成長していく。と同時に、シリーズ初期に知り合った環菜(加藤あい)とは紆余曲折の末に結婚し、今回は長男・大洋も登場することで、父としての顔も垣間見させる。

伊藤は、仙崎という役とともに俳優としてのステップを駆け上がってきたという思いを抱いているそうで、「一緒に成長してくれたのかなとは思いますね。いきなり結婚したり、子どもができたわけではないので」と真しな眼差(まなざ)しで語る。そして、「お客さんやファンの方々に支持してもらえる作品に出合えることって、俳優としてなかなかないと思うんですよ。だから僕はすごく運がいいし、この役をやれて良かったですよ」と感謝を口にする。

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本来ならば、劇場版第2弾となる「LIMIT OF LOVE 海猿」が完結編となるはずだった。しかし、観客動員535万人、興行収入71億円を記録する大ヒットを飾ったことで、熱烈な多くのファンが署名活動を展開して続編製作を訴えるようになる。そうした機運の高まりも奏功し、08年8月に再放送された「海猿」のエンディングで「海猿3(当時)」の製作決定を発表。伊藤は、“チーム海猿”との再会を「家族みたいなものですよ。また一緒に撮れるんだという喜びもあったし、羽住(英一郎)監督がやるんだったら間違いはないと思いました。単にうれしかったですよ。よほどの覚悟があってやるんだろうなとは感じましたけれども」と振り返る。

それでも、完結したはずのシリーズを復活させることに、何の疑問も持たなかったわけではない。「前回から4年のブランクが空いているので、お客さんが本当に見たいときにできなかったんじゃないかと思うこともありました。だから、ストーリーにしても仕掛けにしても前作を越えなければやる意味がないし、全てにおいて勝たなければいけない」。今作でベテラン海上保安官として新人バディを叱咤(しった)激励したように、伊藤本人にも全体を見渡すだけの視野の広さが身についた。だからこそ芽生えた、これまで抱いたことのない感情も胸に秘めている。「これまではがむしゃらにやってきましたが、今回は公開までが怖いですよ。今までのファンを裏切れないし、今回から見てくれる人たちにも満足してもらわなければならない。数字も満足感もすべて含めて、過去を越えていかなければいけないんです」

インタビュー2 ~伊藤英明、「海猿」完結編で感じる初めてのプレッシャー(2/2)
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