劇場公開日 2010年2月11日

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「フィクションをフィクションとして、どこまで許せるかに左右されるな」交渉人 THE MOVIE タイムリミット 高度10000mの頭脳戦 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0フィクションをフィクションとして、どこまで許せるかに左右されるな

2010年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

今作、連ドラから好きで観ています。
先日、献血に行った際も、血を抜かれながら
目の前にあるモニターで、再放送を観ていました(なんかシュールな光景だ)。

絶対、公開初日に行こう!と
勇んで来たのですが、上の満席・残少ラインアップに
作品名が挙がっていないのが示すとおり、座席は半分ほどしか埋まっていませんでした。

コアなファンは、丸の内東映の舞台挨拶に集中したのかもしれませんね。

☆彡     ☆彡

う~ん、
フィクションとして
ドラマなんだから、映画なんだから
許せる許容範囲の広さで感想は変わりそうだな・・・

ドラマファンの感想がこうですから、
ドラマを観ていない人は、どう思ったのか?

上映終了後、いつも通り周りを見渡しましたが、
苦笑いを浮かべている人、無表情な人が大半を占めていました。

これ何作か観てきて行き着いた
私の独断解釈なのですが、テレビドラマを
映画化するとき、映画だからと意識するのではなく、
スタンスは、テレビドラマのままでイイと思うようになったのです。

『のだめカンタービレ・前編』
非常に楽しめて、評価も高くした作品ですが、
映画を意識しつつも、スタンスはドラマのままなんです。

では、今作はというと、
映画を意識するあまり、
設定を仰々しくし過ぎちゃったのかな、と。

ハイジャックシーン、爆破シーンなどなど、
すごく頑張っている様子はヒシヒシと伝わってきます。

それは役者やスタッフだけでなく、
北九州空港もよくここまで協力したなぁ、と
フィルムコミッションも含めて感じさせられます。

だから、中盤から終盤にかけて
かなり、ドキドキハラハラもしました。

でも、ドキドキハラハラが八分だとすると、
残りの二分は「これはありえないよね」と冷静に突っ込んでる(苦笑)

クライマックスの終盤の某シーンも
「いやいや、お客さんには、そのように思い込ませて
 サプライズを誘いたいのはわかるけど、そうしたら
 ドラマの続編が作れなくなるから、ありえないでしょ」と
頭に思い描いていたところ、やはり思い描いたとおりの展開に。

結局、張られていた伏線をエンドロール中に
ひとつずつ紐解いていくと「なるほどね」との爽快さでなく、
「そこまで大袈裟にせず、○○団とか闇組織を使って静かにやったほうが頭よくない?」と
それを言ってしまったら、映画が成立しないでしょうなんて実も蓋もない結論に達してしまう有様。

頑張っているんだけど、
頑張りどころを間違えちゃったかな、という印象を強く持ちました。

☆彡     ☆彡

と、言いつつも
筧さん、星野さんカップルには、
かなり、笑わしてもらいました(美味しい役だった)。

その一方、
林遣都くんの良さが、
ここまで生かされていない作品も珍しいかと(爆)

他にも
クライマックスでドン引きしかけるなど、
突っ込みどころは満載ですが「そこは映画だから」と
目を瞑っていただければ、かなり楽しめるスリリングな作品になっています。

ドラマファンにはお薦めできますが、
ドラマ未見のかたには微妙かもしれません。

なお、鑑賞後、ハズレだったと悔やんだり怒れたりしても
映画館サイドに鑑賞料金返還についての交渉人はいませんのでご注意下さいませ。

septaka