劇場公開日 2009年11月14日

「効果ゼロの焦点。」ゼロの焦点 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0効果ゼロの焦点。

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

今はほとんどマンガしか読まないけど、昔は本も読んでいて、特に松本清張さんはほぼ完全に読破しています。

「ゼロの焦点」は読んだけど、あまり面白かったという印象はなく、ぼんやりとしか覚えていません。

内容そのものは松本清張さんというか、日本映画の黄金パターンなんだけど、かなり商業主義にはしっていて、有名女優で客を呼ぼうとしているため、結果的につまらなくなっている。

女優さんの見せ場を作りすぎて、誰が主役かわからない。

普通は広末さんだけど、実際には中谷さんに完全に食われて、焦点が中谷さんになっている。

それで面白ければいいんだけど、かなりピンぼけな感じがする。

出張りすぎで、蒲田行進曲じゃないけど、「主役より目立つなよ!」と言いたくなる。

どうせやるなら視点を変えて、木村さんの演じていた田沼久子に焦点を当ててほしかった。

原作にあったかどうかは忘れたけど、木村さんの最後のセリフはよかった。

基本的に生きるって、他の生命を奪っていくことだから、つらいのが当たり前だと思う。

特に戦中、戦後を生きてきた人は、人には言えない悲しい思い出を、いっぱい抱えて苦しんできたのだということが、伝わってきました。

他の人の出番を削って、木村さんが演じていた田沼久子の過去とか恋愛を、丁寧に掘り下げていけばもっと面白くなったと思うし、「効果ゼロの焦点」にはならなかったと思う。

Push6700