劇場公開日 2011年10月14日

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「MCUはここまでさかのぼれる記念碑的映画」キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0MCUはここまでさかのぼれる記念碑的映画

2021年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

シンプルで、骨太な物語に、実に細かい味付けが施された、ヒーローコミックの実写化作品。

今にしてみれば、「ここから観る」映画ではなく、「ここまでさかのぼれる」記念碑的な位置づけになったろうか。

ペギー(エージェント・カーター)との約束が果たせないまま、70年の時間が過ぎてしまったことを知ったスティーブの、やりきれない気持ちは、どう落とし前をつけたのでしょう。そして、爆走する列車から転落していったバッキー(後のウィンターソルジャー)との因縁は?この時すでに発見されていたコズミック・キューブの顛末など、アベンジャーズ以降のストーリーに展開していく布石が見事に散りばめられています。

ハワード・スタークの若かりし日をドミニク・クーパーが好演していたり、スタン・リーのカメオ出演を探したり、第2次大戦とアメコミの融合を雰囲気で楽しんだり、見どころは満載です。

キャプテンが戦意高揚のためのアイドルとして使われる様子や、トミー・リー・ジョーンズの渋いキャラクターが、40年代のアメリカをうまく再現していて、音楽の使われ方も見事。ただ、オリジナル・スコアがややパンチにかけるかな…

個人的には、蘇生したキャプテンの動揺を防ぐため、あえてレトロなコスチュームで見舞いに訪れたS.H.I.L.D.のエージェント役をアマンダ・リゲッティがやっていたのもうれしい発見でした。

ケチをつけるとすれば、まあ、当時のテクノロジーでは到底不可能な化学兵器や、実験、通信技術、レッドスカルの余りにもマンガチックなデザインなど、いろいろと見つかるでしょうが、そこを乗り越えて、マーベル・シネマティック・ユニバースに飛び込んでいければ、この先お楽しみは指数関数的に拡大していきます。

2017.5.30

うそつきカモメ