「ギャングを愛した女。」マルセイユの決着(おとしまえ) みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)
ギャングを愛した女。
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60年代のパリが舞台。
かつての大物ギャング、ギュの脱獄と逃亡の果てに待ち受けていた運命は、自らの身を滅ぼしてしまう過酷なものだったって話。
でもね〜自分の仲間を売り、警察の犬に成り下がったと言う汚名を晴らす為に躍起になるギュには同調しかねる。
もう生き方が不器用と言うか、ギャングとしてのプライドが、裏切り者のレッテルを貼られたまま死んでいくことを許さないのだろう。
全く昔気質の頑固者は、柔軟さに欠けると言うか、困ったもんだね。
義理と人情を秤にかけりゃ、義理が重たい男の世界と言うのは健さんの任侠映画に通じるものがあるけど、自分に惚れた女を不幸にしてしまうのは、男としてただただ自己チューなだけ。
いろいろ悩んだ挙げ句、彼はてめぇのコルトで決着(おとしまえ)をつける道を選択する。
長年に渡り体に染み付いてしまったギャングの血は、そう簡単には落とせやしないのだろう。
ここにもうひとり、彼と同じ初老のギャングが登場する。
だが、このダンディーの塊のようなオルロフは一匹狼だ。
度胸はあるし、何よりも憎たらしいほどに冷静沈着である。
彼が最後に女を酔わせるイイ台詞を言うんですよ、これが。
北野武監督が絶賛したのも納得の1本!
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