ウォッチメン : 新作映画評論

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ウォッチメン

劇場公開日 2009年3月28日
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ウォッチメン 3月28日より丸の内ルーブルほかにてロードショー

アメコミの歴史を踏まえたスーパーヒーロー懐疑映画

原作が「アメコミについてのアメコミ」なのだから、その映画化作は「アメコミ映画についてのアメコミ映画」であるべきだ。原作者アラン・ムーアの「この作品はコミックでしか表現できない」という発言は、このメタフィクション性をも意味している。一瞬、本作がメタヒーロー映画になるかもしれないと期待したのは、昨年のコミコンで初公開された映像に付けられた音楽が「バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲」の主題歌の“リミックス”だったから。これで期待するなというほうが無理だろう。

残念ながらこの期待は裏切られたが、原作者と監督双方のファンとして、この映画は否定できない。メインストーリーはもちろん、画面の構図から、街路の落書きまでもが原作通りで、ザック・スナイダー監督が「可能な限り原作通りに」を誠意を持って実践したことが画面から伝わってくるからだ。

スーパーヒーロー活動が違法となった世界で、ヒーローたちはどう生きるのか。物語は幾重にも読めるが、アメコミの歴史を踏まえたスーパーヒーロー懐疑論でもあることは見逃せない。ティム・バートン版「バットマン」が神経症患者として描き、「ダークナイト」が集団に属さない自警団員として描いて、ヒーローの隠された顔は暴かれてきたが、この物語は次元が違う。スーパーヒーローという概念そのものの根底にある危うさを暴き出すのだ。

平沢薫

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