ブタがいた教室 : 新作映画評論

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ブタがいた教室

劇場公開日 2008年11月1日
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ブタがいた教室 11月1日よりシネ・リーブル池袋、新宿武蔵野館ほかにてロードショー

子どもたちの本音を引き出した即興演出が奏功

まず何よりも6年2組の小学生が小鳥や兎や山羊ではなく、ブタを飼育した実話に意外性がある。物語は担任が「大きくなったらみんなで食べよう」と教室に子ブタを連れてくるところから始まり、子どもたち26名が“Pちゃん”と名付けて世話をしながらペットとして愛情を抱く展開は予想通り。実話の映画化だから奇想天外な事件は起こらないが、家庭環境の違う子どもたち一人一人の表情が生き生きしている。卒業式を控えた子どもたちがPちゃんを「食べるか、食べないか」でディベートするクライマックスでは、27人目の生徒になった気分でドキドキした。

教育映画的なうさん臭さをまったく感じないのは「命の大切さ」や「食」についての考え方を押しつけないで、子どもたちの本音を引き出しているからだろう。主役の子どもたちをサポートする担任役の妻夫木聡が自然体で好感を持てるし、出番は少ないが校庭でブタの飼育を認める校長を演じる原田美枝子の包容力も印象に残る。

前田哲監督は、子どもたちにセリフ部分や結末が白紙のままの脚本を渡したという。ドキュメンタリーに近い即興演出は、ドラマを凝縮したセリフになりにくいのだが、周到な準備のおかげで奇跡的に成功している。子どもだけでなく誰にとっても「食」の問題は無関心ではいられない時代である。この映画を見たことで、殺生と「いただきます」の意味を再認識した。

垣井道弘

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ABOUT THE MOVIE

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  • ブタがいた教室
  • 新米教師の星先生は、小学6年生の26人の生徒たちと、卒業までの1年間“食べる約束”で子ブタを飼い始めるが、子供たちはブタをPちゃんと名づけて世話をするうちに愛情が芽生え始め、やがてPちゃんを「食べる」「食べない」でクラスの意見は真っ二つに……。1990~93年に大阪の小学校で実際に行われた授業を原案に、命を育むことや、生命とは何かを問いただす。妻夫木聡が初の教師役に挑戦。監督は「ドルフィンブルー」の前田哲。
  • 監督:
    前田哲
    脚本:
    小林弘利
    原案:
    黒田恭史
    撮影:
    葛西誉仁
    音楽:
    吉岡聖治
    出演:
    妻夫木聡、大杉漣、田畑智子、池田成志、ピエール瀧、清水ゆみ、近藤良平、大沢逸美、戸田菜穂、原田美枝子、甘利はるな
    2008年日本映画
    上映時間:
    1時間49分
    配給:
    日活
  • 11月1日よりシネ・リーブル池袋、新宿武蔵野館ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2008「ブタがいた教室」製作委員会

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