MW ムウ かみぃさんの映画レビュー(感想)

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MW ムウ

劇場公開日 2009年7月4日
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できそこないの悪
投稿日:2009年10月16日
かみぃさんのレビュー

自ブログより抜粋で。
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 冒頭の追跡劇からしてダラダラダラダラと続いて開始早々飽きさせてくれる。
 なんの工夫も気概も感じられないこの導入部ですでにもう、この映画化の失敗は決まったようなもので、作品の方向性としてはノンストップ・アクションを目指したらしいが、監督にとってのノンストップ・アクションとはダラダラと終わらない追いかけっこなのかと言いたくなる。

 そもそも「禁断の問題作」を謳うような作品で、“つかみ”を単調な追いかけっこで済まそうとする姿勢がすでに演出的に幼稚。
 単純に割り切れない善とか悪とかのありようを、結城の正体を知りつつ彼を想い苦悩する賀来を通して見せなくちゃいけないだろうに、その視点は希薄で、結城はこんな恐ろしいことをやってますよってことばかりに注力しすぎ。

 その結城にしても、一瞬でも悪に取り憑かれた彼に観客としてシンパシーを感じるような何かがあるなら、まだ間接的に悪なるものの負の連鎖を体験できそうなものだが、やっていることがただ運のいいだけの“殺人ごっこ”では失笑しか出ない。
 実は被害者でもある結城が、悲劇のヒロインばりに「もう時間がない」と何度も言う姿にも悲壮感のかけらもなく、ただのカッコつけの殺人マニアにしか見えないのよ。

(中略)

 また、もうひとりの主人公とも言うべき、諸悪の根源である“MW(ムウ)”も、本来なら、実はそれが悪の“源(みなもと)”なのではなく、人間に潜む悪意の中でこそ生まれた産物であることを明確に提示しないから、そこから生まれたさらなる悪=結城という負の連鎖が真に迫ってこない。
 MWを単なる殺戮兵器という小道具としてしか扱えないなら、この原作で映画化する必要もないではないか。

 脇役ながら賀来を慕う少女・美香(山下リオ)の扱いがえらく中途半端だったのも気になった。
 役回りとしてはこんなもんでいいとしても、クライマックスで恐怖におののく表情ひとつでも拾ってあげれば全然印象も違っただろうに、まるで通りすがりのエキストラかのような扱いとは、かえって「なんで???」との疑問が浮かんで、不遇な扱いに同情すら感じた。
 まあ、それ以前にアメリカ軍の描写があまりにお粗末なのは、結局この映画化自体が、“映画ごっこ”だったという現れか。

 劇中では出世の餌に食い付くエリート銀行員やら多勢に流される報道姿勢やら隠匿体質の政治やらと、様々な悪を思わせぶりに垣間見せるが、真の悪は「禁断の問題作」をできそこないのダークヒーロー・アクション映画にしてしまった弱腰の製作姿勢にあると思うのだ。

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