劇場公開日 2008年10月25日

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「意外にも今日的?脚本家に注目」ブーリン家の姉妹 antさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0意外にも今日的?脚本家に注目

2008年10月9日

悲しい

怖い

ドロドロとした宮廷物を予想していたら、二人の女性に焦点を絞った意外にも現代的な女性物語だった。ただし監督は正統的な歴史物と思っているようで、取り合わせはやや悪い。原作は読んでいないがけっこうな分量なのでピーター・モーガンはかなり整理してと思われる。アンのフランス時代の様子などはもう少し知りたい、逆にラスト近くはやや展開が早く感じるがアンの運命は誰もが知っていることなのでこの方がいいのかもしれない。

見る前はナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンは逆ではないかと思ったが、他人を意のままに操るアンを演じるのがポートマンで正解だった。一度はヘンリーに嫌われたのに、自分の価値を高めヘンリーの方から欲しいと思わせる姿は圧倒。その一方で王妃になることで庶民からの人望を失うその様はダークサイドに堕ちるアナキンのようだ。このアンなら確かにケイト・ブランシェットやヘレン・ミレンが演じるエリザベスを産みそうだ。しかしヘンリーにブーリン家の人間とキャサリン以外にまともな人間がいない。

二人の違いを出すために苦労したと言うサンディ・パウエルの衣装にも注目

ant