劇場公開日 2010年7月10日

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「人の運命への対処方法を教えてくれる、人生の処方箋のような映画」トイ・ストーリー3 tさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人の運命への対処方法を教えてくれる、人生の処方箋のような映画

tさん
2018年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

楽しい

これまでのトイストーリーシリーズの魂を見事に継承した作品

この映画の中で
「おもちゃは必ず捨てられる。子供が成長すると必要なくなってしまう。」
というおもちゃの運命が大きな焦点となる。
一見バカっぽくて笑える設定なんだけど、実は結構深くて、
「人は必ず死ぬ。その運命からは逃れられない。」
「愛はいつか冷める。その運命からは逃れられない。」
「別れの時はいつか来る。その運命からは逃れられない。」
といった人間の運命に重ねることができる。
だから観客は、ただのおもちゃのストーリーではなく、自分のストーリーとして観てしまう。

運命からは逃れられない。そして多くの場合、運命は恐怖だ。
だって、「いつかは死ぬ」「永遠の愛などない。特別な存在ではない」「親がこうなんだ。自分もこうだ。」なんて四六時中思っていたら、生きることは虚しく、苦しく、退屈なものになってしまう。

では、運命という恐怖に対処するために、我々はどうすべきなのか?
運命に挑戦するか?まぁそれもカッコいいけど、もっと楽な対処法がある。それは仲間を大切にし、たとえ将来成功を得ることができなくとも、毎日楽しく生きることだ。毎日楽しく生きるとは?どうやればいいのか?簡単だ。仲間とバカなことを話して笑えばいい。この映画はそれを教えてくれる。

映画のラスト。アンディは、ウッディの新しい持ち主に対して、自分の魂をしっかりと継承して終わる。
ジョン・ラセターが継承したように。

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