ブラインドネス : 新作映画評論

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ブラインドネス

劇場公開日 2008年11月22日
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ブラインドネス 11月22日より丸の内プラゼールほかにてロードショー

格差や貧困が生み出す暴力性や残酷な現実を乗り越える道を提示

メイレレス監督は、サラマーゴの原作と同じように、見えることと見えないことが生み出す現実を徹底的に突き詰めていく。感染者を隔離した収容所にはやがて権力者が出現し、女性が食糧の対価にされる。そんな状況が浮き彫りにするのは、人間の醜さだけではない。権力者はまだ見える世界を引きずり、それを模倣しようとしている。

だがその一方で、見えない者だけが共有できる感覚や感情が生まれる。ただひとりだけ目が見えるヒロインは、二重の意味で孤立している。しかし、彼女を中心とした擬似家族的な集団が、それぞれに見えることと見えないことの苦悩を乗り越えていくとき、他者との新たな関係が築き上げられていく。

原作では視力が奪われる病を踏まえて、登場人物たちが、「医者の妻」や「サングラスの娘」といったシンプルな記号だけで識別されていた。だが映像ではそれができない。そこでメイレレスは、アジア人や黒人や白人からなる集団を作り、世界の縮図とした。「シティ・オブ・ゴッド」と「ナイロビの蜂」で格差や貧困が生み出す暴力性や残酷な現実を描き出してきた彼は、この新作でそれを乗り越える道を提示している。

大場正明

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ABOUT THE MOVIE

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  • ブラインドネス
  • ノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴの「白の闇」を、「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督が映画化。突然視界が真っ白になり視力を失う奇病が世界中に蔓延。隔離された感染者たちは不安と恐怖から次第に人間の醜い本性をむき出しにしていく……。混乱する世界の中で唯一目が見える主人公をジュリアン・ムーアが演じるほか、マーク・ラファロ、ダニー・グローバー、ガエル・ガルシア・ベルナル、伊勢谷友介、木村佳乃ら国際色豊かなキャストが顔を揃える。
  • 原題:
    Blindness
    監督:
    フェルナンド・メイレレス
    製作:
    ニブ・フィッチマン、アンドレア・バラタ・リベイロ、酒井園子
    脚本:
    ドン・マッケラー
    原作:
    ジョゼ・サラマーゴ
    撮影:
    セザール・シャローン
    音楽:
    マルコ・アントニオ・ギマランイス、ウアクチ
    出演:
    ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリス・ブラガ、伊勢谷友介、木村佳乃、ドン・マッケラー、ダニー・グローバー、ガエル・ガルシア・ベルナル
    製作国:
    2008年カナダ・ブラジル・日本合作映画
    上映時間:
    2時間1分
    配給:
    ギャガ・コミュニケーションズ
  • 11月22日より丸の内プラゼールほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2008 Rhombus Media/O2 Filmes/Bee Vine Pictures

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