劇場公開日 2008年3月1日

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「優柔不断度No.1はこの堕胎女に決定!」4ヶ月、3週と2日 ジョルジュ・トーニオさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5優柔不断度No.1はこの堕胎女に決定!

<ストーリー>
オティリアはルームメイトのガビツァの闇の堕胎処理のため、本人が積極的に動かないため必死で奔走。いざ「闇」の堕胎業者が、金が足りないというと、それこそ「身を投げうって」まで解決しようとするのに、本人はどこか他人事。自分の事でもないのにオティリアは次第に追い詰められていく。

<個人的戯言>
最近の映画の中で、おそらく女性からバッシングされ度は、「東京ラブストーリー」の中で有森也実が演じてた関口さとみか、「ポケベルが鳴らなくて」の中の裕木奈江(未だに彼女が役であるにもかかわらず、バッシング受けたのか私には不明。そしてまさかの「インランド・エンパイア」出演。やはり不思議女優か?)か、それ以上。観てるこっちもイライラしてくるのを、カット割りが更に助長。こんなのがいたらお気を付けあそばせ!

とにかくこのガビツァという女。自分が当事者の自覚全くありましぇ~ん。とにかくいろいろな準備に奔走するルームメイトを尻目に、自分がしなければいけないことを、ほとんどまともにやってません。挙句の果てに、ルームメイトがいろいろ確認すると、「・・・と思ってた」「体調が優れないの」等ほんと

イイイイイイイイイイイイ・・・とさせてくれます。弱々しい感じで、懇願するような上目遣いが更に後押し。

その「他人事」振りを象徴的にしているのがそのカット割り。「存在」を消し、それこそ「誰のこと?」という感じにしていて、もうルームメイトと観客のイライラ度は頂点に。全篇が淡々と進み、冷たい感じの部屋や街並みが突き放したような印象が、まるで無関心を表しているかのよう。

更にルームメイトは恋人との関係も加わり、「何で私だけ?」「何で私がこんな目に?」みたいに思い、自分のことでもないのに次第に追い込まれていきます。結局最後まで頼られっ放しの後の、堕胎女の前に出てきたものは・・・

おいおい、お前平気かよ!

チャウシェスク独裁政権時代、堕胎が違法とされていたルーマニアが舞台ですが、そんな背景うんぬんよりこの堕胎女です・・・しかしやけに印象付けられてますが、まんまとしてやられてるか?

ジョルジュ・トーニオ