劇場公開日 2008年6月28日

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告発のときのレビュー・感想・評価

全19件を表示

3.0真に告発されるべき罪としての「戦争」

2023年6月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

兵士の安全を守るためには、移動中にはハンビーを停めないことが絶対条件だったのかも知れません。
しかし、結局は、不意に道路に飛び出してきた子供がいても、ハンビーを停めてはならないという「不条理」が、マイクの心をねじ曲げてしまったことはには、疑いがないと思います。評論子は。
負傷した捕虜(敵兵)の傷に指を入れて抉(えぐ)るという虐待的な行為を平気でするようになり、ドク(ドクター=医者)というニックネームをもらうようになったり。

そういう心の傷は、マイクを殺害した、かつての戦友も同じことだったのでしょう。
よほどの怨恨関係でもない限り、42箇所…骨に残った傷痕から推測しても42箇所以上も刺して殺害というのも、平常な精神状態であったとは、言えないだろうと思います。

帰還兵は、そういう心の傷を、麻薬や、ストリップ・バーに出入りしたりすることでしか慰めることができない…。

「名作」といわれた『デイア・ハンター』でも、同じような背景が描かれていたと思います(同じく銃器を使うといっても、片方は健全なスポーツ・娯楽としての使用であり、もう片方は、まるで狂気としての使用である、その対照と矛盾)。

そういう「戦争」というものは、紛争解決の手段としても、もはや告発されるべき時期に達しているというのが製作意図だったのではないでしょうか。本作の。

主演のトミー・リー・ジョーンズの濃厚な演技とも相俟って、充分な佳作であったと思います。評論子は。

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talkie

3.0救いようがない

2023年6月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

退役軍人の父
母は父に従う
長男は戦士
次男は狂気→同じような狂気の仲間に殺される。

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ho

3.0改めて、シャーリーズ・セロンはいい女優だと思った

2021年2月28日
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「国旗を逆さまに掲揚するとそれは救難信号になる」らしい。
この映画の中ではつまり、「アメリカはもうどうにもならん、助けてくれ」ってことなんだろうね。

息子を信じた父に突きつけられた現実。
国を信じた国民に突きつけられた現実。
戦争に子供を奪われた母の現実。

戦争すべてが悪いことだと思うけど、何のために闘ってるのかわからない戦争が一番最悪。
悲しみが澱のように、厚く沈んでいる映画でした。

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UNEmi

5.0マイクという名の由来を知ってるか?・・・実は父さんがカラオケ好きだったんだよ・・・

2019年12月16日
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鑑賞方法:映画館

 インドネシアの国旗を逆さまにすればポーランドになりますが、日本の国旗を逆さまにしても何も起こりません・・・星条旗を逆さまに掲げて“救難信号”を意味するんだよ、というウンチクから始まり、旧約聖書やコーランについてまで博識ぶりを発揮する宇宙人トミー・リー・ジョーンズ。彼が演ずるハンク・ディアフィールドは軍人一家の長。陸軍出身、軍警察を経験と、刑事シャーリーズ・セロンも舌を巻くほど洞察力も鋭い男なのです。

 空軍で墜落死した彼の長男デヴィッドの名もやはり“ダビデとゴリアテ”からつけられたのだろう。原題となっている“エラの谷”にて勝ち目のない怪物ゴリアテに戦う許可を与えた王の話をセロンの息子デヴィッドにベッドで聞かせるところは印象に残ります。軍人である父親に憧れて兵士となった次男マイクに対する父親と母親(スーザン・サランドン)の考え方が違うところも興味深いところ。“親子の愛”というよくあるテーマに思わせておいて、戦地に若者を送る罪についてのメッセージを残すのはさすがポール・ハギスと唸るばかり。しかも子どもに言わせるなんて憎い憎い・・・

 基本的には、息子マイクが行方不明となり、やがて焼死体となって発見され、女性刑事の協力も得て独自の捜査をする、というミステリーの形をとるプロット。厳粛な退役軍人という主人公であるため、兵士を英雄としてとらえているのですが、『戦火の勇気』だとか『英雄の条件』などといったアメリカ万歳映画ではなく、むしろ『地獄の黙示録』のように狂気にかられ人間性を失っていくものだという、戦争の現実に打ちのめされる内容になっています。

 また、イラク戦争が間違っているなどというメッセージより、もっと恒久的な何か、全ての戦争に対して訴えかけているように感じました。小さな子どもに言わせている点、逆さまの国旗、エンディングに“子供たちに捧ぐ”と書かれていたためかもしれません。

 意外と面白いのが、トミー・リーが素早くベッドメイキングをするシーンが何度もあったところ。息子の凄惨な遺体と対面する表情よりも印象に残りました。そして、シャーリーズ・セロンの化粧がスッピンから徐々に濃くなって、美しさも変化するところが・・・それに管轄違いでグダグダしてる中で「正しいことをする」と意志の強さを見せるところで惚れ直してしまいました(相手にされないけど・・・)

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kossy

4.0あの涙はどこに

2019年10月22日
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息子の失踪により警察とともに調査をする父親。調査のプロセスで父親が知らなかった息子の姿が浮かび上がる。戦地に赴き人格が変わり車で人をひいてしまったときの悲しみに暮れた心を失くし傷つけた捕虜を弄ぶ残酷な人格に変貌を遂げるほど戦争は人を変える過酷な体験となる。人間は慣れてしまえば感覚が麻痺し抵抗があったものでも免疫がつき受け入れることができるものだと環境が人格形成に大きな影響を与えると感じた。

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お前の頭はただの飾りか

3.5モヤモヤ感を残ります

2018年1月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

見た後は複雑ですっきりしないモヤモヤ感が残ります。でもそれこそがこの作品の意図のような気もします。
終盤まではサスペンス要素の強い内容で、それはそれで引き込まれるものがあります。ただよくある推理やどんでん返しがこの作品には用意されていません。(それがある意味で予想外とも言えるが)
様相が変るのは供述が出たところから。真犯人はあっさりと明かされます。
そこからこの映画は何を見せているのか?一度は父に助けを求めながらも息子は戦場で父の知る息子ではなくなっていった。誇らしい息子として単純に終わらず、でも責められない。では何が悪いのか、を終盤で問いかけているような、モヤモヤ。

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okaoka0820

4.0アメリカ合衆国の救難信号

2016年11月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

グリーンゾーン、アメリカンスナイパーに通じる作品。戦争は麻薬です。

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さばとら

4.0149-26

2016年4月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

渋くて重い
信念の話と言っている人がいたがまさにその通りだと思う。

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もやし

3.5戦争の虚しさ。

2014年7月10日
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悲しい

怖い

難しい

ポール•ハギス作品を観なおしてレンタル鑑賞。

…結局、それでも戦争は無くならない。
所詮人間は動物でしか無いと言う、虚しさを感じました。
ポール•ハギス監督&脚本の幅の広さには感服!

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HIROKICHI

3.5ええと告発はどこに

2014年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

タイトルから、何かしら真実を告発するものだと思って観ていたら、誰も告発せずに終わってビックリしてしまった。
あれ? スタッフロール? なんで?
元ネタが実話なので米国人はそれを知っていて観てるのだろうけど、日本人はそんなの知らない。タイトルつけるとき考えようよ。
そういう話じゃないと解っていれば、ビックリしてガックリくることもないんだから。配給会社の悪意を感じる。
「告発」なんてタイトルを無視して観れば、いい映画です。

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佐ぶ

5.0誰もが犠牲者だった。

2013年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

いったい誰が悪いのであろう。
いったい何が悪いのであろう。

最終的に突き付けられた現実は、あまりにも衝撃的で哀しすぎる。

イラクでの戦争は人を狂わせ、正義を見誤らせていた。
それゆえ、帰還後も現実に戻れない兵士たちがそこにいる。
その状況下で起こる悲劇をだれが批難できるであろうか。

真っすぐなまでに現実と見つめ合ったストーリーと、渋すぎるくらい凄みのある演技によって描き出されたものは、戦争の哀しさと狂おしさを確実に心に刻みつける。

戦争とは人を狂わせるものなのだ。
戦争に行って狂わない人間こそ、ほんとに狂っている奴なのかもしれない。

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旅人

4.0信念のおハナシ

2011年12月2日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

帰還兵が焼死体で発見された。その殺人の裏に潜む真実は…
5年前アメリカで起こった実話を基にした、これは「信念」のオハナシ。

ただただ自分の信念を貫き、ひとり淡々と息子の死の真相を追う主人公にトミー・リー・ジョーンズ。

あまり俳優の名前を覚えないオイラだけど、あれだけたくさんの作品で存在感を振りまいてる俳優となれば、顔と名前くらい一致するよ。

「渋い演技するよ」とか「さすがアカデミー俳優!」とかよく聞くけど、そんな情報いらないね。
そんなの、見て感じればすぐに解かる…それに尽きると思った映画だった…凄かった。

どうしても犯罪絡みの作品だと、謎解きとか陰謀や攻防のハラハラ感を求めてしまうオイラなので、その視点で見てしまうと正直ちょっとモノ足りない感は否めない。

だけど、うぅん、これは「信念」のオハナシ。

人間はここまで強くなれるのか?

そうまで強くなる必要はあるのか?

貫いて辿りつた、そこに救いはあるのか?

真相を暴く事だけが正義なのか?

…ズシリと響いた。

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オイラ

4.5この監督は

2009年1月26日

泣ける

悲しい

史実を基に映画化するのは困難でしかも作品自体の質を上げるのは難しい。この作品の監督ポールハギスはそれをやってのけている。この作品、告発のときを観ようと思ったのは監督がポールハギスだったから。アカデミー作品のクラッシュの監督だったから。
作品自体は大変テーマが大きく今の現代世界に訴えるものがふんだんにあり、特に戦争。今までも戦争風刺作品が沢山あったが、どれもストレートが多く、勿論ストレート作品も伝わるがこのような変化球的な作品も心にくる重みも強い。
そしてこの作品にはもうひとつ、警察のずさんなあり方も描いている。ポールハギスは実に撮り方や伝え方が上手く次の作品も本当に楽しみである。
残念なのはトミーリージョーンズの機械的な演出面ぐらい。史実を基にしてるだけあって最後のひねりもないがこの作品はオススメです。

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ましゃ

4.5戦場ではないのに・・・

2008年7月11日

悲しい

怖い

難しい

ラスト近く、一度は犯人と疑った息子の同僚と酒を
酌み交わすシーンで、彼の言った言葉・・・。
「イラクにいた時は帰国することばかりを夢見ていた
はずなのに、こうして帰還してみると、今は無性に
イラクに戻りたいんだ・・・」
人命が紙よりも軽いような極限の状態に慣らされて
しまうと、人は抜き差しならない道を歩み始めてしまう。
この映画を通じて、救いの無い世界に身を置いてしまった
人々の苦悩の一端にでも触れられればと思った。

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surface

4.5ダビデとゴリアテ

2008年7月10日

悲しい

退役軍人ハンクはイラク戦争から帰還後失踪した息子マイクの悲惨な死を知り、真相を追ううちに携帯電話が一つの手がかりとなる。戦場という場面にはおよそ最もふさわしくない存在の携帯電話、それは現代の我々にとって最も身近なもの、日常的なものの象徴でもある。
軍隊で訓練を積んできたとは言え、20年余りを現代社会の中で育ってきた若者が、いきなり殺すか殺されるかの戦場に送り込まれる。そこで立派な兵士になるため、というよりは何とか生き延びて帰国するためには、自分の中の日常的なものを取り壊していかなければ耐えられるものではないのだろう。
帰国兵の多くは心の闇に怯えPTSDで苦しみ、社会に適応できずに苦しんでいる。その一面で家族への愛、戦友の家族への思いやりも持ち続け、戦争体験はかくも人の人格を断片化させるのかと思う。

ハンクは徐々に真相へと近づいていくが犯人に対する憎しみを通り越して、この国の未来は大丈夫なのかと問いかけてくる。
自由や平和のための戦争と言う大義名分のウラで一体何が起きているのか、Elahの谷でダビデは恐怖に打ち克って巨人戦士ゴリアテに一人挑み、石投げ器の一撃で倒してしまう。
今我々が勇気をもって挑まなければならない「巨人」とは何なのかを考えさせる作品でした。

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ぬかよろこび

4.5深く重い。そして切ない。

2008年7月1日

泣ける

悲しい

戦争って何だろう。そんな問いかけする映画は多々あります。
これもその1つでしょう。
戦争って、何にも解決にならず、ただ何かを犠牲にするだけ。
日本は身近にない状況だから、なかなか共感はできないかも
しれないけど、何かを感じさせる映画だと思いました。
見る人によって考え方、捉え方が変わる映画。

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マキシマム

3.0かなりの陰謀があるようなイメージを振りまいたいましたが、実際は違っていて、ガッカリ。

2008年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 確かに父親ハンクを演じるトミー・リー・ジョーンズの演技がすばらしいです。息子を信じ、ひたすら真相を探す寡黙な父親のなかに、親子の絆の強さや信頼をたっぷり感じさせてくれました。

 この作品をそこに着地せず、宣伝ではかなりの陰謀があるような先入観を植え付けていることが大きなマイナスと言えます。なので、ジョーンズの演技に感動しつつ、結末には、ガッカリ。
 予告編でチラリと映っていたとおり、星条旗を逆さにあげてみたり、何とかお上にもの申したいののでしょう。ハギス監督は、なにかを告発したいだろうけれど、ちょっと待って下さいよ。これって、あんたの息子が悪いからだろ~って、父親ハンク言ってやりたくなりました。陰謀でなく、自己責任でしょ?これってね。
 といっても、ポール・ハギス作品は好きで、欠かさず見ています。
 今回は、ちょっと残念!
 ものすごく細かいパズルのようなシナリオだから、油断すると重要シーンを見落として、置いて行かれます。
 くれぐれも体調を整えて、画面に集中できる体制で、鑑賞してください。

 もう一回見れば、違ってくるだろうとは思いますね。

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流山の小地蔵

4.0「ミリオンダラー・ベイビー」「クラッシュ」が好きな方に・・・

2008年6月16日

悲しい

知的

12日試写会ヤクルトホールにて。脚本家兼監督ポール・ハギスの作品です。ドンデン返しも、ハラハラドキドキもありません。淡々と物語が進みます。しかし、戦争の悲惨さや、それに伴う人間の狂気がズシリと心に響きます。この監督の作品は好き嫌いが分かれると思いますが、社会派映画が好きな方にはオススメしたいと思います・・・。

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モウリ

4.0大事なのは真実を暴くことではない

2008年6月3日

悲しい

知的

難しい

人として生きること、その価値に根底から疑問を投げかけるような問題作。救いもなければ、希望もない。もう、どうしてよいのかわからない状態。世界はそんなところまで行ってしまったのかもしれない。邦題は『告発のとき』として、事件の真相を暴くことに焦点があてられたイメージが作られているが、ハッキリ言ってそれは「客寄せパンダ」。事件も十二分に複雑で、解かれていくことの快感を味わうことはできる。しかし、明らかになった真実は、その向こう側に更なる闇を抱えている。できることなら、そのまま蓋をして、知らなければよかったと思うほどに。なんて後味が悪い作品なんだ・・・。

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ウエイトレス