ハンコック : 新作映画評論

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ハンコック

劇場公開日 2008年8月30日
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ハンコック 8月30日より丸の内ピカデリー1ほかにてロードショー

迷惑なKYヒーローに笑って仰天の“超”型破りムービー

画像1(C) 2008 Sony Pictures Digital. All Rights Reserved.[拡大画像]

何度も地球存亡の危機を救ってきたウィル・スミスが猛烈なブーイングを浴びまくっている。といっても、それは映画の中のお話だ。今回の主人公ハンコックは自在に空を飛べ、車やクジラを片手で放り投げられる怪力の持ち主。至近距離で銃弾を浴びてもへっちゃらのスーパー不死身ヒーローである。ところがこの男、まるで空気が読めない。犯罪者を退治しても大事故を防いでも、勢い余って街のあちこちを壊してしまうため市民には大迷惑。おまけに酒臭いツバを飛ばしてスラングを連発するから、誰も彼を尊敬などしやしない。

そこで登場するのが、ハンコックに危機一髪で命を救われたPR会社の営業マン。まずはハンコックに反省の弁を述べさせ、ヒーローらしいボディスーツを用意し、警官の労をねぎらう「グッドジョブ」なるセリフを教え、すっかり地に堕ちた彼の印象を改善していく。そう、結局のところヒーローに大切なのは、好感を抱かせる“イメージ”なのだ! むろん「ダークナイト」の荘厳なヒーロー論には及ばないが、本作のヒーローをめぐる風刺や皮肉もなかなかウィットに富んでいる。

スミスの泥臭いヒーローぶりと奇抜なアクションで大いに楽しませてくれるこの映画は、中盤過ぎに“ありえない”どんでん返しが炸裂する。ストーリーも映像のトーンもがらっとシリアス路線に変貌し、本来このジャンルにはそぐわないドキュメント風手持ちカメラが俄然効果を発揮し始める。この劇的な転調には誰もが面食らうだろうが、失望よりも新鮮な驚きが勝る。スミスとシャーリーズ・セロンのキッチンでのお茶目なやりとりにも腹がよじれ、何だか未知の快感のツボを突かれたような“超”型破りヒーロー映画なのだった。

高橋諭治

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ABOUT THE MOVIE

  • ハンコック 画像2 [拡大画像]
  • ハンコック
  • ウィル・スミスが嫌われ者のヒーローに扮したアクションコメディ。圧倒的なパワーで人々を救うスーパーヒーローのハンコックは、暴走しすぎて市民から大ブーイングを受けてしまう。そんなある日、ハンコックは偶然にも命を救ったPRマンのレイの提案で“皆から愛されるヒーロー”を目指すことになるが……。監督は「キングダム/見えざる敵」のピーター・バーグ。共演にシャーリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマンほか。
  • 原題:
    Hancock
    監督:
    ピーター・バーグ
    脚本:
    ビンセント・ノー、ビンス・ギリガン
    製作総指揮:
    イアン・ブライス、ジョナサン・モストウ、リチャード・サパースタイン
    製作:
    アキバ・ゴールズマン、マイケル・マン、ウィル・スミス、ジェームズ・ラシター
    撮影:
    トラビス・シュリッスラー
    音楽:
    ジョン・パウエル
    出演:
    ウィル・スミス、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマン、ジェイ・ヘッド、エディ・マーサン
    2008年アメリカ映画/1時間32分
    配給:
    ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 8月30日より丸の内ピカデリー1ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2008 Sony Pictures Digital. All Rights Reserved.

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