劇場公開日 2005年10月8日

「あーー意味わかんねーよ。と、苦笑してポップコーンをぶちまけて帰ったカップルもいた」エイリアンVSヴァネッサ・パラディ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0あーー意味わかんねーよ。と、苦笑してポップコーンをぶちまけて帰ったカップルもいた

2018年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 強敵はエイリアンでもジェイソンでもフレディでもプレデターでもない。ヴァネッサ・パラディは、公開時期を合わせてジョニー・デップと戦いたかったに違いない。

 なんのこっちゃ!と、なかなかエイリアンが登場してこないストーリーにいらいらさせられるが、ようやく登場するのは足が4本くらいの火星人風宇宙人。軟体動物のようであり、『スパイダーマン2』のドック・オク風でもあり、『ウルトラセブン』のビラ星人でもあり・・・鋭い刃物で人間の首をスパっと切っちゃうほど恐ろしい奴なのです。それを歌姫(ディーバ)ヴァネッサ・パラディが女戦士となって果敢に戦うのかと思っていると、肩すかしを食らってしまいます。

 ジョニー・デップ氏とお付き合いがあり、お子さんまでもうけているが結婚していないヴァネッサと、ティム・バートンからインスパイアされた作風であるポワロー監督。本当はチョコレート工場を攻撃する内容にしたかったに違いないが、予算の関係か何の関係か知らないけれどもエド・ウッド風の作風になってしまったのだろう。唯一バートン風に仕上がったのは、あきらかに人形と思える犬だ。この犬の雰囲気は『フランケンウィニー』(『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』の同時上映の短編)とダブってしまう。ちなみに、エイリアンの造形は『マーズアタック』の火星人に似せたかったのだろうけど、あからさまなパクリを避けたかったことも想像できるのです(でも可愛くありません)。

 犬がかなりインパクトあったのですが、その飼主も凄かった。顔を食べられたのに、妙に楽しそう(歯が剥き出しになっていたのでそう感じただけかもしれません)。多分、スプーンを使って人前で歌うことだけが楽しみだったのでしょう。そして、存在するだけで笑ってしまう金髪のメキシカンの二人!こういう意味のない登場人物がいるだけで、至福のB級感を堪能することができるのです。

 あーー意味わかんねーよ。と、苦笑してポップコーンをぶちまけて帰ったカップルも、エンドロール後の映像を見ていかなかった。「あんたたちの方が意味わかんねーよ」とも言ってあげたかったが、もちろん一番意味わかんないのは邦題だ!原題:ATOMIK CIRCUS - LE RETOUR DE JAMES BATAILLE

 ストーリーは、主人公の歌姫コンチャ(パラディ)に会いたいがために禁固133年の刑で投獄されたジェームズが脱獄し、町に戻ってきてエイリアンと戦うハメになったというお話。ラストの風景からすると『猿の惑星』的なオチを考えたけど、もっとすごいぞ!!

kossy