劇場公開日 1971年4月24日

「抑えがたい煩悩と、誰かに向けられる妬み。」ライアンの娘 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0抑えがたい煩悩と、誰かに向けられる妬み。

2015年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

沖縄人のそれと同じように、永くイギリス人に虐げられたアイルランド人にしかわかり得ない歴史背景があるのだろうことは重々承知。

それにしても、歯がゆい。
夫にばれても恋に執着するロージー、妻を寝取られても戻ってくると信じる間抜けなロバート、嫉妬とやっかみだらけの民衆、そして、保身のために娘を見捨てたライアン。
全然、知り合いになりたくない人たち。
牧師と従者マイケルだけが、一貫して生き方を通している。

ロージーが、自分も蔑まれる立場になってはじめてマイケルの気持ちがわかり、それまで毛嫌いしていた彼の手の甲にキスをする場面は、はっとした。

もしかして、「ロージー」でなく、「ライアンの」とつけたタイトルに、何か意味があるのか?

栗太郎